一般質問:ドイツのゴミ事情

 本日午後「長岡市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」について一般質問をしました。
 ドイツでの経験を元に質問をしたのですが、それに対してまともな回答が得られずちょっと残念でしたが、私の質問の仕方が悪かったと反省もしています。
 冒頭を抜粋して掲載させて貰います。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

『我が国のリサイクルの推進に関する法律については、平成12年4月に施行された容器包装リサイクル法から始まり、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、そして自動車リサイクル法などの法律が制定されていますが、一般消費者や市町村行政に義務や責任、負担を負わせる内容が中心で、残念ながら、ごみを生産するメーカーや流通業者に対しての、ごみ発生を抑制したり、規制したりする内容にはなっていないように思われます。
 ごみの減量を図る第一歩は、まず今よりもごみの発生、生産を抑えるリデュースにあると思いますが、国の方針は、リデュース、・リユース、・リサイクルの3Rの内、メーカーや流通業者が生産した「ごみのリユース」や後始末である「ごみのリサイクル」ばかりに積極的で、「リデュース」である、ごみ全体の発生抑制がなされない限り、ごみの全体の量は変わらないと思います。
 加えて、リユース、リサイクルを積極的に取り組むことは、環境面から考えれば評価されますが、財政面から考えた場合、ごみの分別、回収に要するコストは軽減するどころか増加する傾向にあり、逼迫した財政状況の市町村では大きな問題となっています。このように環境問題か?費用対効果つまり財政問題か?の岐路に立たされている地方自治体は少なくないと思います。
 首都圏で比較的財政状況の良い自治体などは、分別・回収するよりも一括回収し、全てをごみ焼却場で燃やした方が効率的であると考え、リユースやリサイクルを市民に奨励することなく、高額で立派な焼却場を建設し焼却処理を中心にしているところもあります。
 いずれにしても、リユースやリサイクルよりもリデュースが行われれば、ごみの総量は減り、分別、回収の経費はかからず費用対効果は明確に現れるはずなのに何故、国はリデュースに関する法律をきちんと定めないのか疑問に思います。
 さて、ドイツでは日本よりも10年も早く1991年に「容器包装廃棄物の処理に関する規制令」が施行され、メーカーなどにリサイクルが義務づけられました。そのことにより、リサイクルよりもリデュースに力を入れるような制度的誘導が行われ、ごみの減量が図られました。
 しかし、当初、メーカーへのリサイクルの義務づけは、経済が低迷し始めていた当時のドイツ産業界、財界にとっては大きな負担であり、加えて、リサイクルのためのコスト負担が製品の値段を引き上げ、同時に生産性を低下させ国際競争に負けてしまうのではないかとの懸念から、その制度に対して猛反発があり、一度は破綻しそうになりました。しかし、政治家や関係官庁の努力で現在に至っており、ドイツの「容器包装廃棄物の処理制度」はヨーロッパ各国の見本にされており、現在のドイツは、環境先進国として、世界に名を馳せています。
 ドイツでは、リサイクルすることが「循環型社会」だという考え方はしていません。生活する限り廃棄物は出ますが、それを社会システムの中で処理可能な『適正量』にすることが一番望ましいという考え方から、メーカーなどに対して設計、開発、生産を含めた段階から排出量を減らす対策を求め、しかも法的に厳しい責任を課しています。リサイクルすれば良いのではなく、まず、ごみを出さない仕組みを作ることが大切であり、どうしてもごみが出る場合は最新の技術を用いてリサイクルをしようというのがドイツの「循環型社会」の考え方です。
 このようにごみの発生、生産からごみの消費、回収、処理までをそれぞれの段階で分割して対応するのではなく、一貫したものとしてとらえ、ごみを生産するメーカーの義務・責任を明確化していることは見習わなければならないことと思います。ドイツのように、リデュースを誘導するようなきちんとした法律を国が制定しない限り、日本のごみ問題は解決しないどころか、リサイクルやリユースの義務を負わされた市民や市町村の負担は増すばかりで、ごみ問題は解決しないと思います。 以下 省略』