多文化共生とは?

hiroshikaro2007-12-29

阪神中越中越沖 震災復興全国フォーラム〜多文化共生社会の実現に向けて〜」が12月21日長岡リリックホールで開催されました。その中で可児市企画部の遠藤文彦さんから「可児市内の外国人:ブラジル人の現状」についての報告がありました。
人口10万人の可児市の7%約7,000人の外国人、特にブラジル人の割合が高く、文化の違いや経済格差等で様々な問題が生じているとこと。
 例えば、ブラジル人は派遣会社に籍をおき自動車や機械などの関連工場で働く方々が殆どで、家族を伴っての来日が殆どです。派遣会社からの派遣のため、一つの工場で長く働くのではなく、賃金の高い工場へ転々とするというのも特徴であるとのことです。
ブラジル人は日本人ではありませんので、義務教育は適用されません。つまり学齢に達しても学校へ通わせる親の責任はありません。また、小さい子どもの頃に来日し生活しており、親が働いている時は「鍵っ子」で家に閉じこもっていますので、日本語などを覚える機会もなく、その様な状況下で小学校に入学しても当然勉強や共同生活にはついて行けず大きな問題となっています。
また、自動車の運転、車検、保険なども日本の仕組みを良く理解していないことや、帰国する者から車検を受けていない車を買って乗り回している等の問題、そして生活習慣の違いから周辺の住民に迷惑を掛けている等の地域コミュニティの問題など様々な面で問題を起こしているという報告があり、日本に於ける多文化共生の難しさを象徴する報告でした。

 私は「企業の都合でブラジル人の受け入れを行っているのだから、このような様々な問題を解決するための努力や経費的な負担は成されているのか?」と質問しましたが「全くない」との回答でした。
 受け入れている企業、派遣会社などは、低賃金でも一生懸命働く日系ブラジル人の受け入れをどんどん増やしている状況です。例えば、今年、世界一の生産台数を達成し空前の利益を上げているT自動車の陰には、これら外国人労働者の受け入れが寄与している場面は少なくないはずです。
 その外国人が働き、居住する自治体は、地域コミュニティ、環境、教育、交通安全、災害対応の分野において様々な問題を抱え、それを解決するため数々の施策を実行しています。確かに企業が立地することで固定資産税、法人市民税、事業所税、そしてそこで働き住むことで住民税や所得税が歳入となりますが、多文化共生のために要する労力、経費は、決してそれだけでは賄えるものではありません。
 受け入れ母体である企業、人材派遣会社の責任をより明確にすると同時に、多文化共生に関わる施策の実施に対しての経費負担等をさせるべきではないかと思います。
 加えて、外国人を特別扱いすることではなく、一般住民と同様に対応出来る体制を整えることが大切ではないかと思います。
 その為のインフォメーションについては、きちんと提供し、またそれらの外国人の要望や意見がきちんと反映できる体制づくり、そして日本人が外国人に対しての偏見を持たないような国際教育と相互交流の推進を行政やNPOが主体となり積極的に担うべきではないかと思いました。