子どもは誰のものか?

 卒業式では、校長先生は保護者や地域の方々へお礼を述べ、PTA会長、後援会長は、先生や保護者そして地域の方々へお礼を述べ、そして卒業生代表の答辞でも先生、保護者そして地域の方々へのお礼が述べられた。卒業式の挨拶は感謝、感謝の弁論大会のようである。このことは決して悪いとは思わないが、卒業生である子どもを、校長先生は「大切な子どもを預からせていただいて―――」、後援会長やPTA会長は「子どもを学校から預かっていただいて―――」というようなニュアンスの挨拶であった。
「子どもに対して責任を負うのは誰なのか?」卒業式の挨拶を聞いていて、どうもよく分からなくなってしまった。このことがしっかりしていないので、昨今、モンスターペアレンツとかヘリコプターペアレンツ(何かあれば直ぐに飛んでくる保護者)が多数出現するのではないかと思う。
 実際の所、学校は本当に親から子どもを預からせて頂いていると思っているのか?そして保護者は、子どもを学校、先生から預かって頂いていると思っているのか?その真意もはっきりしていない。
 「家庭、学校、地域」といわれ三者の協力によって子どもを健全に育成して行こう!とよく言われるが、どもまでが家庭の範疇なのか?どこまでが学校の範疇なのか?の棲み分けがはっきりしていないことが原因で、現在の学校を取り巻く様々な問題が生じているようにも感じられる。
 持論であるが、『子どもに対しての責任を負うのは親である。』当然、子どもの安全を考え守るのも親である。そのことを親は学校や地域、社会に任せ、何かあればそれらを相手取り対立構造を形成し社会全体をぎくしゃくさせている。
 子どもが悪いことをし、それを咎める大人や先生が逆にその保護者から非難される時代である。より、それらの関係・責任分担を明確にすることで、その対立もなくなり、子どもの健全育成も上手くいくのではないかと思うが?
 「家庭、学校」のそれらの点についてPTAで良く話し合わなければならないと思う。