農業研修生の帰国
昨日は13ヶ月間ヨーロッパ(ドイツ、オランダ、スイス、デンマーク)で農業実習した農業研修生帰国報告会に参加してきました。
ドイツで実習した研修生の同窓会である国際農友会ドイツ会の事務局としてドイツ会の活動内容等を説明し、その後ドイツで農業実習した7人の青年から報告を聞きました。
皆、農家での実習はもとより、色々な勉強をして来たこと感心しました。
報告の主なものは、
●有機野菜農家で実習した研修生
ドイツでの有機野菜の嗜好は高まる一方でそれらの対応で忙しい実習だった。
農薬や化学肥料を使わない分手間暇が掛かるので出来るだけ機械化し効率を上げなければならないため農場はその対応に腐心していた。
スーパーなどでも有機農産物コーナーが設置されるの当たり前になり、食の安全という観点から、有機野菜の需要は益々伸びている。
海外の安価な労働力を使って、アフリカや南米の農場で栽培した輸入有機野菜も出回っており、それとの競争に大変である。
●酪農家で実習した研修生
過去1年間のドイツでの牛乳の生産者価格:乳価は、45セント〜32セント(72円〜51円)で農家にとっては良い値段であるとのこと。
ドイツは日本に比べ電気料が高いので、その農家は牛舎の屋根に1枚250ユーロのソーラーパネル570枚(総額142,500ユーロ:2,280万円)を設置し売電を開始したとのこと。天気の良い日は金額で100ユーロの電気を売っているとのことであるが、ソーラー電池設置に対してどれくらいの補助が出ているのかは分からないとのこと。
作業の分業化も進んでおり、大型機械を使うような作業は、専門の作業請負会社にお願いしており、そのことで機械への投資も抑制できると同時に、労働力の確保も図れているとのこと。
●リンゴ農家で実習した研修生
日本の品種「ふじ」も栽培されるようになったが、まだまだ消費者の認知は低いようである。
ドイツ人のリンゴの消費量は多く、日本のリンゴのような甘いものよりも、酸味の利いたものを好む傾向がある。
また、ドイツのリンゴの大きさの規格は、ジーパンのポケットに入る1人で食べられる大きさで、直径6センチ〜9センチ程の大きさとなっているので、「ふじ」をはじめとする日本のリンゴは一寸大き過ぎるかも知れない。
☆農家実習が終わり、帰国までの3週間ほどヨーロッパ各国を旅行した報告も聞かせてもらった。
EUに統一されたとはいえ、それぞれの国毎に独自の文化や習慣があり、それらの違いを肌で感じることが出来た等の報告りました。
何れにしても1年余りのヨーロッパ滞在でひとまわり大きくなった青年に接し『海外研修の大切さ、有効さ』を再認識しました。
地元に戻り、ヨーロッパでの経験を話すことで、その経験を真に自分のものにすることが出来ので、この1年間は出来るだけたくさんの方々に実習報告をして欲しいとアドバイスしました。