中学校のオープンスクール

暑さ対策の扇風機

 昨日は長男のクラスでオープンスクールがあり、道徳の授業参観があったので覗いてきました。
 保護者の参加は小生1人だったようでしたが、担当教諭の授業評価も兼ねての授業参観であったようで、教育委員会から指導主事が出席し、校長、教頭先生はじめ多くの同校教諭が、担当教諭の授業の進め方そして生徒の様子を見ておられました。
 いつもは教室の片隅で授業を垣間見るといった感じでしたが、今回は教室後ろに用意されたパイプ椅子に座って、生徒と同じような気持で授業を受けさせて貰いました。
 NHK教育番組のDVDを使い、初めに話題提起をし、その後DVDを一旦停止し、登場人物の気持ちがどのようなのか生徒に想像させ、それをメモ書きし発言させる。また、DVDを再開し最後に結論を出す。我々の時代のように「教科書」主体の授業とは全く様変わりをしたことに驚きました。今の時代多くのメディアや教材が溢れんばかりにあるので、それらをどのように使いこなすかが先生の腕の見せ所かも知れません。
 思い起こせば、小生が大学時代一般的な授業は、先生が板書した物をそのままノートに書き写す時間でした。そのノートを丸暗記すれば、テストはパスできましたし、授業に出席しなくてもノートを友人から借りて写すことで単位を取ることが出来た時代でした。そのような時代に小生の恩師は、授業に関係するような「新書」等を読ませたり、ビデオを見せたり、そして現場見学に出掛けたりして常に学生に興味を持たせ、新たなる探求心を醸成するような授業をやられ、多くの学生から指示を得ていました。
 恩師は「先生とは自らの知識を学生に切り売りするのではなく、自らの知識を活用し、様々な方法を使いこなし、学生と共に新たなる知識を開拓して行くことにある!」というようなことを云われたこと思い出しています。
 現代社会、価値観が多様化し、生徒や学生の於かれている環境は様々です。塾で夜勉強するから学校での授業中は居眠りしていても成績が良いという生徒も少なくありません。しかし、本来中学校の勉強は高校受験の為の勉強ではなく、生徒の探求心、向学心を引き延ばし、自主的に物を学という姿勢を身につけさせる所にあるのではないかと思います。そう言った意味では、今回の授業の方法は大いに評価できると思います。

 しかし、長男も含め、生徒に覇気がなく、先生に質問されてもぼそぼそちと答え、後ろに居る自分には声がはっきり聞こえない。また、三〇度を超える暑さも手伝ったのか?皆疲れているような様子で姿勢が悪く、授業に身の入らない生徒も居ました。
 高校受験を目指し知識の詰め込み学習も大切かと思いますが、物を学ぶ力、探求心を育てるのも中学生の時期かと思います。
 昨今、効率ばかりを追い求め詰め込みばかりをしていることで、高校や大学に入り既に疲れ切ってしまい、やる気の無い若者が多くなっています。何処の学校には入り、何処の学校を卒業するかよりも、何のために勉強するのか、そしてその勉強を自らの立身出生の為では無く、社会の為に役立たせるのだという「志学の心」を育てるのが義務教育の役目ではないかと再認識した授業参観でした。
 中学の先生方にエールを送りたいと思います。