ビデオ・写真判定

 昨日の巨人・西武の日本シリーズ、9回裏ワンナウト 佐藤の打席、佐藤のバットに当たった打球はホームベース前に転がりタッチアウト、9回裏の反撃を楽しみにしていた西武ファアンは意気消沈である。しかし、テレビに映し出された映像では、打球は一度キャッチャーミットに当たってベース前に転がっているように見えた。
渡辺西武監督は直ぐに球審に抗議し、球審は内野塁審を集め協議したが、フェアー タッチアウトの判定は覆ることはなかった。
その間テレビでは何度もリプレイ映像が映し出され、解説者も「キャッチャーミットに当たって?」と言い続けていたのに???
 一方、日曜日に行われた東京競馬場での秋の天皇賞は正に圧巻であった。1番人気ウオッカと同い年のライバル馬ダイワスカーレットと壮絶な叩き合いの末ウオッカの勝ち、結果は写真判定で約2センチの差であったとのことである。
3時45分前に終了したレースなのに、判定が下ったのは4時近くであった。
テレビの映像では、手前のダイワスカーレットが優勢のように見えたが、長時間に渡る写真判定で下された結果に対しては衆知の納得が行く判定となったと思う。
 これまで野球においては審判の判定は絶対、一度下した判定は覆ることは無いのが常道ではあるが、これほど映像機器の性能が上がりデジタル化も進み、加えてテレビで何度も繰り返し映像を映し出すようになった現在、肉眼や人間の能力で判断したものが間違いであるということも少なくないように思える。
 既に大相撲や柔道等はビデオ映像を判定の参考にするようになっている現在、野球界も考えるべきではないかと思う。即座のジャッジも大切であるが、その判定を巡って長時間に渡る抗議、そしてその間、お茶の間では何度と無くリプレイを映し出され、解説者等が判定とは違った見解を下していては「一体野球界は?」と思う人も少なくないと思し、実際小生もそのように感じた。
 しかし「何故球審はキャッチャーに聞かなかったのか?」また「キャッチャーは何故自ら答えなかったのか?」毎年行われる甲子園の高校野球ではフェアープレーの精神を宣誓しているのに、当たったか当たらなかったのか等は一番当事者が知っているはずなのに?真実が明かされないまま消化不良のままにプレーが続行された。
何かプロ、金儲けが先に立ち「損することには口を噤む、余計(真実)を言えば損する。」「相手が自分に有利に判断してくれたのであれば、このまま黙っていた方が得である」そんな世相が反映してしまっているプロ野球の実態を見たような後味の悪い日本シリーズ第3戦であった。
 
あの時キャッチャーがきちんと発言していたら?プロ野球の見方・味方?は変わっていたのではないかと思うが???