アメリカ大統領選

 オバマ氏は昨年2月に大統領選に立候補を表明してから、実に21ヶ月も続いたアメリカ大統領選を制し第44代大統領に就任する事が確実となった。
 民主党内でのクリントン女史との熾烈な予備選、そして今回のマケイン氏との本選、選挙を通じてオバマ氏は政治家、大統領としての力量を蓄え続けてきたように感じられる。昨日の勝利宣言も正にアメリカ初の黒人大統領としての素晴らしい演説内容には感動した。
 投票率も60%を越え過去最高になるとの見通しに、これまでの選挙キャンペーンの効果の賜物と評価すると同時に、アメリカ合衆国国民一体となってこれから4年間の指導者を選ぶ方法、方式をみて、日本国のリーダーである首相を選ぶ方法は再考すべきであるとも思った。
 今回の選挙はどちらが勝ったにせよ、両党共日本では想像出来ない程の金と時間と人を投入した事は、選挙というよりいわゆる「国民の意思統一キャンペーン」のように思える。つまりリーダーを決めることはもとより、国としてこれから進むべきみち筋をしっかり議論し定める為の手段であったように思える。
 獲得した選挙人の数は倍の開きがあったが、獲得した選挙人の州の数はそれ程の差は無く、多分得票数でも選挙人の数ほど大きな差はないように思える。
 つまり、アメリカの政治は共和党民主党という2大政党が掲げる2つの方向軸のどちらを選択するか、共和党の方向軸がぶれたから、今回は民主党の方光軸に進もうといった感じの選挙であったように思える。
 リーダーとなるオバマ新大統領は国民の負託を受けた訳なので、これから4年間「変革」を求めて、これまでのブッシュ政策に大鉈を奮うことを期待したいが、実際のところ選挙人獲得割合(率)と国民からの得票率との乖離から来るギャップに戸惑う事もあるのではないかと思う。
 新しいリーダーが決まったアメリカ、どのように生まれ変わるか期待したいが、4年前議会で視察したニューヨーク市のチャータースクールやシカゴの子ども裁判所を見て、一般市民の教育格差、そして昨今の経済状況から国民の多数を占める貧困層の教育レベルを考えた場合、リーダーが変わったからといって、社会が直に変革するとは考えがたい。
やはり、なんといっても国を興すのも、国を滅ぼすのも「教育」がキーワードになると思う。「良きリーダー」と「良き教育」が国の発展の両輪になるのではないかと思うが???