山が荒れてる

 今日はUNEHAUSがある一之貝のお隣の集落、軽井沢を訪問し区長さんと色々話しました。
 軽井沢は世帯数30戸、人口70人余り、標高350mの中山間の農村です。茨木童子の出身地で有名な集落で、茨木さんという苗字が多いところです。
 7年前にあった中越地震後、沢に集まる水が大変少なくなった。それまで溜池に引き込んでいた山水も乏しくなり、旱魃の時は大変とのこと。また、雪の多い冬は水が枯れることもあるとのことで、原因は、上流部の水路の整備が、過疎化、高齢化のため十分に出来なくなったことでです。
 以前は、村民皆で山普請に入り、水筋を確保していたとのことであるが、最近は条件の悪い棚田は放棄され、それに伴い水路の整備もされなくなり、ひとたび大雨が降れば、スムーズに流れない水は鉄砲水となって土砂と共に下流に勢いよく流れ出て、土砂を堆積させ、川の断面を減少させています。
 農業の衰退、人口の減少、そして高齢化が、中山間地域の農山村の衰退につながり、ひいては、山の恩恵を受けている平場での大災害の原因が知らず知らずの内に拡大しているということは、果たしてどれだけの国民が理解していることか?
 最近は山歩きブームということで、大勢の人がハイキングや山菜取り等で山に入ることが多くなりました。地元民に云わせると「勝手に山に入って、猫齟齬(のこそぎ)山菜を取って行く。勝手に民地(私有地)に入って来る。」等の苦情が寄せられています。
 山について再度、しっかり学び直して、山と仲良く付き合って行かないと、いつ何時大きな災害が起こるか分かりません。
 平場に密集して生活している人達にとって、山が荒れることは「他山の石」ではなく、災害が起きた時に、自分たちの生活している環境が破壊されてりまうという危険性が、日に日に増大しているということを自覚し、山を守る、中山間地域を守る運動に参加してもらいたいと思います。