雇用者になること

 特定非営利活動法人UNEを立ち上げ、早2か月が過ぎ去ろうとしています。
 通常、市井のNPOは非営利活動というだけあってボランティアの集合体が多く、法人登記された団体でも、常勤の職員を配置し、給料や報酬を支払っている所は然程多くはないかと思います。
 我、特定非営利活動法人UNEは、私を含め一応常勤職員が3名居るので、様々な手続きが必要であるということが、最近、長岡税務署に呼ばれてから分かるようになりました。
 5月初めに、長岡市の市民税課から案内があり「団体設置届をするように!」と言われ、登記簿謄本と定款を持って、届出書を提出しました。その後、税務署から封筒に入った分厚い資料が届き、法人設立届出書の提出を催促されました。
 「NPOだから税金なんて支払わなくても良いのでは?」NPOで活動している友人に聞いても「税務署など行った事はない」等、自分勝手に考えを巡らし、躊躇していること1カ月。
 「もしかして何か後で言われたら」と心配になり、結局、今月半ばに意を決して税務署を訪問しましたら、報酬給料を支払っているのであれば、雇用者は職員から源泉徴収をして所得税を支払う義務があるので、至急5月分、6月分の所得税を納付するように!」と督促されてしまいました。
 「所得税?」と言われても何に何パーセント乗じて計算するのかさえ全く分からない、ずぶの素人なので、一から教えて貰い、社会保険(健康保険、介護保険、そして厚生年金)と労働保険(雇用保険労災保険)の掛け金は、支給額から控除されるので、その額が分からなければ、所得税は算出できないことが分かりました。
 社会保険料は、社会保険事務所労働保険料労働基準監督署ハローワークが管轄官庁いうので、今日は、その官庁を訪問し詳細を伺い、漸く、給料明細書を完成させ、滞納していた5月、6月分の所得税を納税しました。
 また、初めて雇用者になった自分は、雇用者であるので労働保険には加入できないことも分かり、大変勉強になりました。
 通常このような手続きは、通称 代書やさんという社会保険労務士や税理士が代行するものと思いますが、自ら立ち上げた法人ですし、代書やさんを頼むような経費は全くないので、手間暇は掛りますが、ひとつひとつ自分で片付けて行かないと自覚しました。
 しかしながら、同じような手続き、そして同じ官庁なのに、労働と社会保険というように窓口が分かれていることに大きな疑問を感じました。
 たまたま長岡市では、この3月から合同庁舎が完成し、税務署も労働基準監督署ハローワークもそして法務局もひとつの建物に集まったので、階段を上り下りすることで手続きを済ますことが出来るようになったことは有難いことですが、縦割り的な同じ様な手続き、そして素人では閉口してしまいそうな、難しそうに見える様式、意味不明な特殊番号と記号等は、そこで働く職員の為の手続きかと思う位、紙と書類を一杯貰い、そして同じことを何度も書き込むことで、自分が雇用者になったことを実感させられた1日でした。