大横綱 白鵬

 今年に入ってから八百長問題で大騒動の角界。一人横綱、それもモンゴル出身の白鵬が日本の角界を背をっているという印象を強く受けた今場所(9月場所)であった。
 13勝2敗の成績、連勝、連覇の大記録を持つ白鵬にとっては、一寸物足りない成績の様に感じるが、今回程立派な優勝成績はないように思える。
 2敗は、今回大関昇進を決定した琴奨菊と、来場所大関昇進を目指す希勢の里に負けた星である。負けてやったというのはタブーであるが、14日目の把瑠都戦、そして千秋楽の日馬富士戦を見ると技士:白鵬、正に誰にも負けない横綱相撲を感じさせる。その白鵬が関脇2人に連敗とは?
 もし、この2敗がなく全勝優勝であったとしたら角界は盛り上がらず、これまでの暗いイメージをまた来場所へ引きずって行くに相違ない。
 久しぶりの日本人力士の大関昇進、暗い話題ばかりの角界にとっては、正に朗報、そして、来場所また新たなる日本人力士の大関取りも期待できるとなるとこの、2敗は、正に角界にとっては白鵬が上げた大金星であると思う。
 今回の八百長問題を契機に「勝負はガチンコ」という言葉が使われるようになったが、相撲は江戸時代から続く「興行スポーツ」特に日本では強過ぎるのは嫌われ人気が出ない。
 相撲は真面目で一生懸命、しかし、なかなか横綱になれない力士が人気を博してきている。
 つまり、ちょっと「いい加減」で、下に負けてやり、下を育てるのも人気の秘訣、そして角界の大黒柱:横綱の大切な仕事。そして優勝しなければならないのも横綱の宿命。
 今場所、そんな2つの役目を立派に果たした白鵬は、正に名実共に平成の大横綱であると思う。アッパレ白鵬