今回の選挙で感じたこと Ⅱ

 選挙とは?市議会選挙は立候補者の議会入門試験であると思う。
 通常高校や大学入試試験であれば、同じ条件の元、同じ問題を解いてそして数人の面接官により、多くの受験生が面接試験を受け、その上で合否が決定される。
 通常選挙は、試験官である有権者の絶対数が、受験生である候補者数を大きく凌いでいる。
 試験官である有権者はどのような判断基準で、受験生である立候補者の試験、つまり投票するか?となると「何回も挨拶に来てくれて顔を知っている」「地元の候補者であり身近な仕事をやってくれそう」「一緒に何か活動をしている知り合いである」「親戚や知人に頼まれた」いう判断基準で投票する傾向は否めない。
 実際自分も有権者が取るその判断基準に沿うべく「町内や地区の支援者(いわゆる後援会加入者)への挨拶回りを行い、地元の候補であることを強調し、まず地元の票の取りまとめを行った上で、親戚や知人の紹介で地区外の支援者を増やす」といった後援会活動、選挙活動を行って来た。
 そのようなことを常日頃から一生懸命行っている候補が、「選挙に強い候補」になれる。実際今日も選挙でお世話になった支援者への挨拶回りをすると「既に4年後の選挙戦は始まっている!後援会加入カードを出してくれた人全ての世帯を回るべきだ!」と励まされる。
 では、地元に候補者がいない有権者やたくさんの立候補者であっても、全くその内のどの立候補者とも関係がない人いわゆる浮動票と呼ばれる有権者はどのような判断基準で投票するのか?
 テレビや新聞などのマスコミがほとんど取り上げない市町村議会議員選挙などでは、正に選挙は関係ない、関心のないものでしかないはずだ。年齢が低下するに従い投票率が下がる現象を「今の若い人が政治に関心がない」と一言で片づけているのはちょっと短絡的過ぎると思う。
 現在の選挙戦、特に複数の立候補者が乱立する議会議員選挙では、立候補者全ての政治姿勢や考え方、経歴などの詳細を知ることはほとんど出来ない。 また、現職であれば議会でどのような質問をしてきたのか?地域でどのような活動をしてきたのか?などといった議会での実績を知ることは、僅か7日間の選挙期間中に知ることはほとんど不可能である。
 今回は小生も個人演説会や挨拶回りで「皆さん是非投票に行って、自分の判断で誰かに1票を投じ、そしてその候補が当選したら4年間その候補の活動をしっかり見て欲し」と訴えて来たが、実際その「自分の判断」をどのような方法で出来るのか?と聞かれたら、今の選挙制度では、きちんと答えることができない。《明日に続く》