中越沖地震 Ⅱ

倒壊した家屋

 中越沖地震から1日が経ちました。柏崎市西山地域の被害状況を見て来ました。倒壊家屋もたくさんありましたが、ほとんどが老朽化した瓦葺きの家屋でした。区画整理事業で分譲された新しい家屋の倒壊は西山地区ではほとんど見られませんでした。3年前の中越地震は地盤災害といわれ、地盤が大きく動いたためにその上の建物が壊れてしまったものも多かったですが、今回は当時に比べると地盤というようりも、地盤の振動により耐震性のない家屋が倒壊してしまったような感じがします。『耐震性の有る建物だったら死ななくて良かったのに?怪我をしなくて良かったのに?』と後悔させられます。

 瓦葺きの屋根は、屋根のてっぺんにある通称:ぐし瓦が崩落してしまいそれに引きずられるように脇の瓦も崩落しています。梅雨がまだ明けない今、直ぐにブルーシートで覆いをしないと家の中に雨が入り込み大変になってしまします。
 西山地域は田中角栄総理の生まれ故郷で海に面した町です。風が強いので新潟県ですが積雪も少ないですが、屋根は比較的瓦葺きが多く、積雪が少ない分柱等も長岡に比べると細い等、所謂『頭でっかちの家』であっったために倒壊した物が多かったように思われます。

 昨年下水道の埋設工事がなされたばかりの道路が陥没していました。まだ埋め戻した土が落ち着いていないことなどが原因かと思いますが、中越地震と同じような状態です。また、マンホールが20センチ位隆起しているところもたくさんありました。段差があるので夜間、車が落ちなければ?と祈るのみです。

 現在新潟県内の避難所には約1万2千人の方々が入っておられるとのことです。避難所では水や食糧の提供がされています。幸いかな柏崎市内のスーパーやコンビニは既に今朝から営業しているとのことですので、有る程度自分の欲しい物はお金さえ出せば手に入るようです。また、山古志のように孤立しているわけではなく、車が有れば柏崎市内への出入りは可能ですので、救援隊や救援物資等も比較的迅速に入って来ているようです。

 先週海開きをした新潟県随一の海水浴場 石地海岸の今日の閑散とした風景です。
 浜茶屋や周辺道路は外見ではほとんど被害がないように見えました。海の日の大きな負の贈り物「中越沖地震」とならないよう来週からの週末、そして夏休みの海水浴者で賑わうのを期待したいですが、風評被害が軽減されるようマスコミの支援が必要と感じています。

 今回亡くなられた方は全て高齢者の方、そして倒壊した家屋の下敷きになった方々がほとんどです。高齢者の一人住まいでは老朽化した家屋の改築、改修は経済的にも大変かと思います。また「3年前にあれだけ大きな地震が来たのだから、ここ50年は大丈夫だ」という素人的な安易な発想から、中越地震後、住宅家屋の耐震診断や耐震強化のため促進事業が実施されていますが、なかなか進まないのが現状です。
 自らの命を守ってくれる家ですので、きちんと診断して安全で安心して住めるような家でなければなりません。その為には、地震の恐ろしさ怖さを知り、日頃から地震や災害に備えての準備をしていなければならないと痛感しています。