市街地の浸水被害

マンホールの内部

 市街地の町内会の方々から相談があり、市役所の担当課の職員の方々と一緒に立ち会いをしてきました。
『ここ数年1年に多いときで3回ほど床下浸水の被害を受けた。応急対応も含め抜本的な対策をお願いしたい!』との要望で、まずは、現場を良く見てからということで今回の立ち会いになりました。
 実際道路の下には色々な埋まっています。まずは、下水管それも雨水管、汚水管、そして汚水と雨水が一緒になった合併管、水道管、ガス管、そして電線の地中埋設が完了したところは電気配管もあります。

 今回問題になったのが、雨水管と合併管。旧市街地ですので下水道の整備も昔に完了している地区で、汚水と雨水を一緒に流す合併管が埋設されていますが、過去、浸水被害を解消するために雨水専用の600mmや250mm口径の雨水管が埋設されておりました。実際昨今の集中豪雨では、この雨水管の容量を超える量が瞬時に降るため道路排水が上手くいかず、最初に道路が浸水しその後宅地が浸水し床下浸水を引き起こしています。
 急速な都市化の影響で地面がコンクリートアスファルトで覆われてしまったため、水は地下に浸透せず全て道路表面を流れ一瞬にして道路側溝や雨水管に集まり、下流部の排水能力がなければ溢れ出てしまうことが原因となっています。
 これらの被害を食い止める為には、
1.下流部の排水能力を向上させること 
2.瞬時に流出する雨を一時的に貯留すること
 の2点が考えられますが、既に家が密集している市街地においては、上記2つの対策を取る事は多額の経費が必要であることや、土地などの提供が伴うこと等、難問が山積しているので何処の都市においても遅々として進まないのが現状です。
 このような事業を進めるのにまず一番大切なのは、浸水被害を受ける人だけでなく、被害を受けない方々にも、これらの状況を良く理解してもらい、協力してもらうことが必要です。自分のとこは問題ないから、口も顔も出さない、全く無関心な世の中になりましたが、隣の人の難儀を理解し協力し合う『お互い様の精神』が発揮されなければ、都市部の浸水被害の抜本的な解消は難しのではないかと思います。