国会の証人喚問についての思い

 月曜日の証人喚問この頃頻繁に行われるようになりました。マスコミもこぞって報道しています。証人喚問は国会に於ける裁判所。そこに登場する質問者:国会議員は、テレビドラマ「ヒーロー」の主人公 木村拓哉扮する悪を暴く検察官のように格好良く映し出されます。委員長は裁判官、そして喚問を受ける者は、正に被告人、被疑者の如く大衆の批判の的になる役柄となっています。
 確かに見ている大衆は面白く見ていますが、実際の所、究極の所になると「答えられません」とはぐらかされてしまったり「記憶にございません!」という答えになり、真相は究明されない。また、質問する側にも弱みがある場合もあり「薮蛇:やぶへび」になっては?との不安から中途半端になっている場合も少なくありません。
 質問に立つ野党側の議員は正にヒーローで次期選挙の当選は確約されたようなもの、よって野党議員は「証人喚問」を連呼するような気がしてなりません。与党はそれを受けないと国民の批判を浴びるので、嫌々やらざるを得ない状況ですが、喚問を受ける者には用意周到、失言や余計なことを言わないようの準備時間を取り正に、ショウタイム的な演出をしているようにしか感じられません。
 国会という国の法律を審議する場で、裁判所的な行為、検察官的な役割を演じることに大きな疑問を感じます。刑事事件であるならば、専門家である警察、検察そして裁判所できちんとするべきであると思います。専門家による、きちんとした調査や捜査に基づいた喚問でなければ、結局は真相が究明されないまま有耶無耶になってしまっているケースが殆どです。
 国会での証人喚問のテレビ中継を只々興味本位、面白がって見ているのではなく「証人喚問とは?」そして国会の役割は何なのかを国民としてよく考えなければならないと思います。マスコミも喚問の内容について只評論をするのではなく、証人喚問のあり方、国会でやるべきか否かということについても、きちんと評論して貰いたいと思っています。