ダボス

 人口730万人余のスイス、大きさは丁度九州と同じくらいの国、そんなスイスの片田舎 ダボス(Davos)で先週世界的な会議が開催された。
 10年前までドイツボンで農業研修生の世話役:欧州駐在員として赴任していた時、2回程ダボスを訪ねたことがある。ダボスという町は、スイスに26ある州のグラウビュンデン州(Graubünden)の町である。
 スイスの面積は九州とほぼ同じくらいであり、形は四国に良く似ており、グラウビュンデン州(Graubünden)はスイスを四国に例えると、丁度徳島県と同じような位置、スイスの東南の位置にある。
 スイスの公用4カ国語:ドイツ語(6割)、フランス語(3割)、イタリア語(1割)、そしてロマンシュ語(少数)のロマンシュ語を話す人が住んでいる州としても有名である。
 ドイツ語では「ダホース」と発言し、標高は1560メートルで空気が綺麗なので、昔は結核(呼吸器系の病気)の療養の町としてヨーロッパ各地に知られており、ドイツ人曰わく「世界で一番天国に近い町」(ダボスへ療養に行くと、なかなか戻って来られない→神に召される?)と言っていたのを思い出す。
 スイス最大の都市、チューリヒからダボスへ行く手前の町:シールスという小さな村にある家政学校で日本人の農業実習生の家政研修を毎年2回行っており、その学校を訪問した時、丁度ダボス会議が開催されていたので、2回程足を伸ばして訪問したことがある。
 街の雰囲気は、長野の菅平:上田市姉妹都市提携をしているだけあって良く似ており、志賀高原の入口の湯田中温泉にも似ているように思うが?
 何故、人口1万人余の山村に毎年3000人もの国際的に著名な企業人、政治家、学者などが一堂に会し世界の諸問題を討議するのか大きな驚きであるが、『永世中立国』『EUに加盟しない独立国』『金融立国』そして『観光立国』というようなスイス固有の素晴らしいイメージが多くの著名人を集めているのではないかと思う。
 今回は福田首相も参加し演説したとのことであるが、只スケジュールに追われパフォーマンス的な演説に終始して帰ってこられたのではないかと懸念している。
 私が12月の本会議で一般質問したように、「これから目指す日本の農山村政策の見本」がスイスのダボスグラウビュンデン州の山村にあると思うのだが---
 何処へ行ってもきちんと整備されているスイスの農山村「農畜産業が環境を守っているのだ!農業があるから国土が保全されているのだ!」という現状も見聞し、理解して帰国して来てくれたことを大いに期待したいものである。