中国製ギョーザ中毒事件に思う

 ここ数日このニュースで持ちっきりである。「食の安全」に対しては、一体誰が責任を負うべきなのか?昨日の「子どもの安全は親が負うべき!」であるとのことから、『食の安全は自己責任つまり、食べる人達それぞれが責任を負うべき』であると考える。
 今回の中毒事件の対応はまず「原因追及にある」と色々調査をしているが、例えその原因が判明したとしても、今回失してしまった「食に対する消費者の不信感」はなかなか払拭出来ないかと思う。
 最近「安全・安心」という言葉がよく使われるが「安全」は数値的、科学的な証明がなされれば人は信用するが、「安心」は字の如く「心」の問題であるので、如何にその安全性が証明されたとしても信頼を失墜した人・会社が作る「中国製品」を食べることはなかなか出来ないはずであると思う。
しかし、「食」という正に一番大切なことを外国に委ねている日本人、そして都会に住む人たちにとっては、そのことを信じて食べるしかない。あるいは、高い金を払って「安心」を買い取るしかないように思える。
 ここで我々日本人が考えなければならないことは「これまでのように外国に食糧を依存していて良いのか?」「これまでは、金さえ出せば食の安全・安心も併せて買うことが出来ていたが、教育そして価値観も違う外国人の手によって作られた農作物、食品に自らの命を預けて良いのだろうか?」ということである。
 国内自給率を高め、地産池消を推し進め、そして顔の見える生産者から農産物、食品を買う、そのことこそが本当の「日本人の食の安全・安心」に繋がることであるかと思うが、マスコミはじめ世論は「役所の検疫、検査態勢を強化せよ!全ての輸入品をチェックせよ!」と強調しているが、もしそのようなことを始めたら、益々、行政経費が嵩み、食品価格も上げなければならなくなる。
それよりも気心知れた信頼の置ける顔が見える生産者が作るものを食うことの方がどれだけ安心が得られ、コスト的に安価に抑えることが出来るのか、ひいては農業振興がなされることにより、地方が元気になり地域格差の是正に寄与し、国土保全という意味からも大きな効果が上がると思うが、残念ながら今回の騒動では農林水産省の陰は非常に薄い。
 今回の事件は日本国民にとって一大事であるが、食のあり方、自給率、日本農業の振興等を考える良い契機となればと大いに期待している。 この機会に、農協を初めとする農業団体そして農林水産省などの農業行政が、どう『日本農業の再興。再生』を国民にアピールできるかが、今後の日本の食の安全・安心を考える上で大きなポイントになるかと思うがーーー