首都直下地震時のシミュレーションよりも大都市の危険性を提案して欲しい!

hiroshikaro2008-04-04

 昨日のニュースで「中央防災会議」のシミュレーションが報道されていた。
震度6の首都直下型地震が起きた場合、都心から郊外の都市まで歩いていくのに、例えば20キロ離れた埼玉県和光市までは15時間とか、30キロ離れた横浜市までも15時間とか様々なシミュレーションのデータが公表されており、多くの帰宅困難者で路上は混乱すると報道していた。
 その対策として、時間差帰宅を実現するために
1. 企業や学校での一時避難
2. 家族の安否確認方法の改善
3. 混雑状況、被害状況の情報伝達の改善
 が必要と提案している。しかし、この対策は対処療法的なものでしかないと思うし、どのような条件設定をしてシミュレーションを作製したかは定かではないが、ここのシミュレーションが一人歩きしないか?ちょっと心配である。
阪神淡路大震災後、毎年開催されていた「阪神淡路大震災の記念シンポジウム」に3回参加し、いろいろなシミュレーションを頭で想定していた小生は、実際に中越地震を経験した時、そのシミュレーションは殆ど役に立たず、逆に、そのシミュレーションがあったため、熟考することなく迅速に現場対応し、「要らないことをやり過ぎてしまった」という反省が多々あった。
 この対策で、1については、学校などに食糧や携帯トイレ、毛布などの物資を備蓄するとか、避難所機能を強化する。
また、2.3については、安否確認や混雑状況、被害状況に関しては、通信システムをこれまで以上に上手く利用して対応する等の具体的な方法が示された。


 しかし、1に関して言えば、何時、何処に、どのような強さの地震が来るのか分からない中で、備蓄物資や避難所の対応を行うということになると莫大な経費が必要になり、財政破綻寸前の地方自治体にとって非常に難しいことである。
「備えあれば憂いなし」この諺は分かるが、「確実な憂いがあっての備えであれば」このことは理解できるが、「オオカミ少年の逸話」ではないが、来るかも知れないものに対しての備えはなかなか進まないと同時に、費用対効果を考えると促進できるものではない。
 2.3についてはシステム上の問題で現在のインフラを上手く活用すれば可能な事なので、どんどん推進してもらいたいと考える。

【提 言】
 震災時の帰宅や避難所の整備のことを提言するよりも、まずは震災時の市民の生命の安全確保ということにきちんとした方策を立てること最重要ではないか?
 何故なら、命があってこそ、怪我をしていないからこそ歩いて帰宅できるのであり、阪神淡路大震災同様震災時に5,000人近くの人が圧死したのを考えると、まずは、建物の耐震性や家具や机などの固定などの対策が急務ではないかと思うが、そちらの対策は個人財産への介入となるので遅々として進まない。
 行政、公は市民の命を守ることを最優先とし、次ぎに避難、帰宅等について対応するべきことであり、そのことに対しては、まずは自己責任をきちんと提示するのが必要ではないかと思うが?
 小生は家を離れる時には必ず目的地の地図と携帯ラジオそして飲料水を持参している。もしもの時に対応できる最小限のグッズであると思う。

 自らの安全は自らが守る。公が震災時の安全を守ってやる。そして公はその安全を守る義務があるなどと、公も市民も誤解するような対策・対応は問題ではないかと思う。
 震度6強の地震でも中越地震では阪神大震災に比べ、死傷者は桁違いに少なかった。
 そのことからも大都市への人口集中、政府はじめ行政機能の集中について。帰宅シミュレーションよりも優先、かつ真剣に国民で検討すべき時期ではないかと思うが?