学力と家の手伝い

 昨日の入学式の挨拶で学力と家の手伝いは比例する。つまり、家の手伝いをする子どもは学力が高い傾向があるので、しっかり家の手伝いもするようにとのフレーズがあった。
 昨今「学力と朝食を取ること」「学力と睡眠時間」等の関係についても文部科学省はしばしば言及している。
家庭での過ごし方と学力を関係づけ、家庭での躾や規則正しい生活の励行を謳いたいのは理解できるが、家の手伝いをしたからと云って成績が上がり学力がつくとは思えないのだが?
また、学力が上がるから手伝いをしなさい!と親が云っても、子どもは云うことを聞かないと思うのだが。また、学力を上げるために家の手伝いをさせるというのもおかしな話である。
 しかし、家の手伝いは大切なことである。家族の一員であるという自覚からやらなければならないことであり、やらせることであって、学力の向上を理由にやらせるのはどうかと思う。
例えば料理などは、正に学校が云う総合学習みたいなものであると思う。料理の材料は何か?買い物へ行けば、その材料が幾らで売られていて、何処産であるのか?そして形がどうで色がどうか?良い品質とはどんなものなのか?等、色々なことを学ぶことができる。
そして料理の仕方なども、ゆでたり、煮たり、焼いたり、揚げたり、炒めたりすること等、色々なバリエーションからその素材を一番生かせる調理方法選択するのは、奥深いものがある。
このように、手伝いは、学力向上の為と云うよりは、それ自体が意味をもつものであり、学力そのものであると思う。手伝いをしても国語や算数の成績が直ぐ上がるというような感覚をもたせる意味不明なフレーズは止めるべきではないかと思う。
文部科学省は一体日本の教育を何処へ導こうとしているのか?