二院制:現在の参議院のあり方について

 日本の立法府である国会はご存じのように衆議院参議院の二院制になっている。
 しかし、現在の国会は、その二院制の機能・特徴がしっかりと発揮されているのだろうかと考えると「?」マークである。
 衆議院は与党自民党公明党が三分の二以上の議席を占める一方、参議院は与党が過半数を割り込み、ご存じのような政治の混乱を招いている。確かに、これまでのように与党が二院共過半数を超えていた時は、二院制の是非についてほとんど関心もなく議論されなかったかと思うが、果たして今のように二つの議会が必要なのだろうか?
 小選挙区比例代表制衆議院議員選挙、そして都道府県選挙区・比例代表制参議院議員選挙選挙制度も選ばれる議員の内容もそれ程違いがないように思えるし、実際、最近は衆議院選挙に落ちた議員が参議院選挙に立候補する。この逆もありで、何か国会議員の落選保険的な制度のように思えてならない。昨年の参議院選に落ちた人は、今秋可能性がある衆議院選挙に立候補、当選すれば、議員としての空白期間は僅か1〜2年でしかない。我々地方議員はオリンピックと同じ4年間待たなければ選挙は来ないのである。
 衆議院での仇を参議院で討つ。これが今の与党:自民党と野党:民主党の構図である。大切なことを棚上げして、こんな泥仕合的なことばかりやっていて果たして良いのものだろうか?
 さて、ドイツも日本同様二院制を取っており、連邦議会連邦参議院がある。日本の参議院にあたるのが連邦参議院で、現在16ある州を代表する機関であり、連邦国家としての特徴が現われている組織である。
 連邦参議院議席数は現在69議席あり、各の州が人口に応じて3〜6票の表決権を持っており、発議権も有しているが、基本法に関しては、連邦参議院の同意を必要とする法律と層でない単純な法律とに区別されている。
 特に、法律が各州の主要な利害に抵触する場合、例えば税制、行政権に関するようなことに連邦参議院の同意が必要になってくる。
 つまり日本で云えば、今回三月末の道路特定財源暫定税率を改訂する法律については、地方の都道府県知事会では、現行制度の堅持であったので、ドイツの制度であれば、それは改訂出来なかった訳である。
 特に民主党参議院議員選挙の大勝で、「ねじれ国会」と呼ばれるように、なかなか国会運営が上手く行かなくなった現在。選挙のための国会に於ける政治家のパフォーマンスは、正に「国家的な虐め劇場」を見ているようで、教育的にも精神的に良くないことでもう癖壁だ!
 地方分権や中央と地方との格差が広がる現在、日本の参議院もドイツ的な参議院の制度をとってみたら良いのではいかと思うのだが?
 そろそろ議会のあり方について検討すべき時ではないかと思うが----