地震からの復興

hiroshikaro2008-06-25

 今月初め中越地震で大きな被害を受けた「長岡市西片貝地区」の災害復旧事業がついに完了しました。
 長岡工業高等専門学校に隣接する当地区は、県道と一級河川稲葉側に挟まれた地区で、昭和30年代に稲葉川に隣接する田んぼに5m程の山土を盛土して造成された住宅地です。
4年前の中越地震当時は19軒の家が建っていましたが、稲葉川を堰き止める:閉塞するほど宅盤が滑落し、大きい所で4mも地盤が動き、建物も地盤と一緒に動いたため、建物の再建や修理には多額の経費と時間が掛かりました。
 加えて、地盤が動き、その上に建物を復旧した訳ですので、現況と公図(更正図:登記されている権利図面)が合わない、つまり登記上、自分の家が建っている土地の一部は、他人(ひと)の土地であるという状況にあり、今後、土地の売買等出来るような状況ではないので、この際、関係者全員一致団結し公図の訂正をしようということになりました。

しかし、復旧のためそれぞれお金が掛かる時に、目には見えない公図を直すと言うこと、そして「公図の訂正」と言うこと自体を理解されない方々が殆ど、加えて、平均1戸当たり25万円もの負担で、それも関係者全員からの負担ということで、当初色々な問題もありましたが、何度も協議を重ね、市や県そしてJAからの協力もいただき、震災後半年には全員の意思がまとまり公図の訂正に着手しました。
昔の民間開発で造成された地区でしたので、取り掛かると色々な問題が噴出してきました。

  1. 大字界:二つの町内の境界があった。
  2. 相続をしていない土地があった。
  3. 県道敷きなのに個人名義の土地があった。
  4. 地震で滑った分、土地が伸びた人、縮んだ人があった。
  5. 家が建っているのに未だ地目が田や畑であった土地があった。

 等、様々な問題あり、それを土地家屋調査士、測量社の担当者とひとつひとつ解決しながら手続きを進め、漸く先月末全ての登記が完了し、今月初めに登記済証を関係者全員に手渡し、事業の完了に至りました。

 当事者は元より、市、県、JA、土地家屋調査士、測量社の担当者の方々の協力に感謝したいと思います。
 同時に市内至る所でこのような被害がありましたが、公図の訂正まで至った所は殆ど無い中で、時間と経費を要しましたが、私も中心になり事業推進に携わり、きちんと仕事が完了できたこと本当に誇りに思っています。