日本農業の行方

 長岡市内の農地の小作料が、近々正式に決定されるという。
本年のほ場整備事業がなされていない1反歩:10aの田んぼの小作料は、反で12千円になるとのことで、これまでは2万円から4割も値下げされてしまう。
耕作する者にとっては、ガソリン等の油代、種や肥料そして農薬などの資材が高騰する中、これまでの小作料ではとうていやっていけないとの判断からの値下げであるかと思うが、地主にとっても、1反12千円では、水利費や固定資産税、農家組合費等を払ったら赤字がでてしまう。農地を持っていれば、持っているだけで金が出て行くという時代が到来した。このような状態が続けば、農地の流動化は進まず、農業をやる人は激減してします。農業者を大規模経営の担い手位置づけ、その担い手を積極的に支援すると云った政策からすれば、小さな効率の悪い農家が止めて行ってくれるのは、歓迎かも知れないが、担い手農家も一緒に止めていく状況をどう回避するかが大きな問題である。
 このような中、ほ場整備がなされない効率の悪い農地は、放棄され草茫々になってしまう。一方では自給率の低下により食糧危機の足音がひたひたと迫っている日本において、どのように対処すべきか?
 また、今日の新聞には「牛乳がなくなる」という記事が掲載されていた。輸入飼料の高騰により、酪農家は青色吐息、消費者乳価は上がるが、生産者乳価は据え置き状況では、こちらも廃業がどんどん増え、牛乳の自給率もどんどん下降線を辿ってしまう。
 このように日本農業は、工業同様の効率ばかり求め続けてきたため、大切な餌や原料を海外に依存し過ぎたために、このような大きな問題を抱えることになってしまったことを、国民一人一人良く理解しなければならないと思う。
自給自足、適地適作モットーに、高度経済成長期、世界一金持ちの消費者が直ぐそばに居るという好条件を活用した農業政策を進めていれば???とも思う。