今時の健康診断

千秋が原の越後交通本社ビルの隣にある「長岡健康管理センター」で1年1回定期的に行っている健康診断に行って来た。午前8時から10時まで、体操着に着替え、機械的にスタンプラリーのごとく検査場を巡り歩くのが2時間の仕事である。
今年から開始された、メタボリックの腹囲測定がスタート、心電図、体重・身長、聴力、視力、血圧、胸部レントゲン、胃部レントゲン、採血、そしてゴールは医師による聴診器による検診である。そして、いつも決まって言われることは「もっと痩せるように!」であるが「分かっているけど痩せられない!」が自分の口癖でもある。
社会保険からの補助もあり6,000円の負担で健康診断を受診できることは非常に評価したいし、また、健康診断終了後は、朝を抜いて診断に来たということで、青善という料亭の幕の内弁当が出され(料金込み)遅い朝食をいただいて終了である。
会社の同僚何人かで行ったが、帰社後話をしてみると、2台ある血圧計のうち右側の血圧計で計ってもらった者全てが、基準値を超える血圧となった。我が社の職員は皆血圧が高いのかも知れないが、ちょっと首を傾げたい結果である。機械が示した数値によって「あなたは血圧が高過ぎるから専門医に行って再検査するように」と結果が届くのは分からない訳ではないが、その前に血圧計の精度について再検査してみる必要もあるのではないかと思うし、実施計測に立ち会っている職員は何も思わないのだろうか?と疑問に思う。
以上、診断の内容、結果を疑う訳ではないが、昨今の医学は余りにも機械的になり過ぎてはいないだろうか?
今日の診断でも言えることは、受診者にとって一番大切であると思われる最後の医師による検診が一番早く終わった。聴診器を胸と背中に一寸付けて終わりである。
事前に既往症、病歴、生活習慣、飲酒、喫煙までアンケートに答えているのに、そのことには何も触れない。時間に追われている労働者が大半だから、早く終わって仕事に戻ることが一番、医師からくどくどと自らの生活習慣から食生活の内容に至るまでを説明されるのも迷惑と思う人も少なくないと思うが、1年1回の大切な機会なのだから、これまでの検診結果を見ながら、受診者と色々お話し、受診者の問題を明確にし、そして受診者がそのことをきちんと自覚することが一番大切なことではないかと思うが、その点が一番疎かにされてはいないだろうか?医師が足りないのは分かるが、医術が仁術といわれた昔から、医術は算術だといわれるようになった昨今、真の医療、本当の予防とは、誰が判断し、誰が主体となって取り組んで行くのか?人間が判断し、人間自ら取り組む姿勢がなければ、決して予防や早期治療にはつながらないと思うが?
「機械に全てを任してはいけない!」そう思った今日の健康診断であった。