秋田中央道

hiroshikaro2008-09-07

先週秋田市を訪問した時、市外地図を見ると、どうも解せない点線の道型があるので、きっと駅の東西を結ぶトンネルではないかと思い秋田駅東口からタクシーに乗車、直に運転手さんに「東西を結ぶトンネルがあるのですか?」と聞いたところ「あります!」との答えだったので、是非市役所までこのトンネルを通っていって欲しいとお願いし、2.5kmのトンネルを5分程かけてドライブさせてもらいました。
 この種のトンネルは長岡でも要望があり、私も「今朝白の交差点<DNビル前)辺りから、長岡駅の真下を通って、現在の県営地下駐車場の空間を利用し、表町の交差点<内山パン前)辺りから地上に出るトンネルを作ってみたら」という安易な発言をしてきましたが、今回それと全く同じような機能を有したトンネルを通り、そして運転手さんの「総経費600億以上掛かった」という話を聞いて、余りにもの巨額の費用に驚いてしまいました。通常のトンネルは2車線で1m当たり400万円の工事費とことなので、簡単に掛け算すれば100億円位、運転手さんの600億円はちょっと大袈裟すぎるのでは疑問に思っていましたので、その後訪問した市役所の職員に聞きましたが「良く分からない?」との返事だったので、帰宅してインターネットで調べると運転手さんの言う通りでした。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E9%81%93%E8%B7%AF

 600億円と言えば、合併前の長岡市の年間の一般会計予算、昨年の国体前に完成したとのことで、国体前の一大公共事業、県と市が経費を負担したとはいえ、着工までには「トンネルが良いのか高架橋が良かったのか?」「駅の真下を通るのが良いのか、或いは多少離れた場所が良かったのか?」等の議論が為されたのか?は分かりませんが、出来てしまえば当然市民の利便性は向上したと思いますが、投入された経費そして今後の維持管理費を考えると果たして必要なトンネルだったのか?との疑問が沸いてきます。しかし、冷え切った地方経済の牽引的存在である土建業界の活性化に寄与したことは確かだと思います。
 大型プロジェクトを実施することは、即ち東京に本社がある大手ゼネコンが参入してきます。大手が頭:親で、県内大手が子ども、市内の大手が孫、そして市内中小業者が曾孫というように、どんどん取り分が少なくなってしまします。
 そのような大型プロジェクトを実施し、地方経済を図ることよりも、今の時代は市民に密着した公共事業、生活道路や歩道の改良、用悪水路の解消、そして著しい都市化と異常気象による集中豪雨によって生じる市街地の冠水解消等の事業がより大切であるように思いますし、その事業の活性化こそが正に、地元の土建業の活性化、ひいては地域経済の活性化につながることと確信します。
 秋田市の中央道を通って「交通の利便性を図る」ことの経済的効果そして費用対効果について大きな疑問を感じました。