知的障害者総合援護施設 西駒郷

hiroshikaro2008-11-12

 長岡市内の障がい者福祉施設の 施設職員協議会のメンバー及びその活動に賛同する90名の会員からなる「なうネット長岡」の視察研修に参加してきました。
 前 西駒郷の所長の山田優さんは、去る7月に「なうネット長岡」の招聘で『ほんとうの気持を「聞く」ということ』と題して、障がい者:施設利用者を施設から地域へ戻すことに努力され、500人近くいた施設利用者を現在の200人程まで地域生活に移行させられた実践者で、山田さんは、その地域移行の理念や経緯について分かりやすくお話されました。
 今回視察研修は、その講演の現場を見て来ようということで企画・実施されました。
 長岡から車で片道4時間、往復8時間の道のりでしたが、いろいろと「しゃべくって」いましたので退屈せず有意義な時間も過ごせました。
 最初に見学したのは昨年11月1日に開設された男子40名、女子20名の計60名が入所されている「さくら寮」でした。この寮は10名が1ユニットという区分の中で生活されており、計6ユニットから構成されており建物で、知的と身体障害の重度重複の障がいを持っている、車椅子等を利用されている方々のための施設で、ユニバーサルデザインが施された新しい施設でした。
また、ソーラー発電、ソーラー蓄熱、深夜電力、採光天井、県産木材の利用等、環境に配慮された立派な施設でした。
ユニットの中は、男女一緒に居住・生活されており、それまでの施設に比べ問題も少なくなったとのことでした。
次に、地域に移行した形態:グループホーム「のどか」を見学しました。

利用者は5名で、女性3名、男性2名の計5名、年齢構成は30歳代3名、50代1名、60代1名で、これまで大きな問題もなく皆満足して生活されているとのお話を聞きました。

  1. 施設から地域へ生活拠点が移行したことで、障がい者の方々の「幸せ度、満足度」はどのように変化したのか?
  2. 移行前と移行後の問題の内容はどのように変化したのか?

等より客観的な話が聞けたらとも思いましたが、この事業が始まってまだまだ日が浅いので、具体的なお話は聞けませんでした。
「利用者の方々と地域・隣近所との交流」について質問しましたが、機会は作るが、なかなか利用者の参加は進んでいないとのことでした。

もっと障がい者と地域との交流が進み、そして深まれば、障がい者の方々の活動範囲は広くなり、活動内容も豊富になるのではないかと思いました。今後それらソフトの面での充実が望まれます。
これまでは、障がい者を集め、箱の中に入れ、閉じこめていたような気がします。これからは地域への移行も含め、障がい者の方々はより積極的に地域、社会に出、(出して)、一般市民と交流することで、一般市民の障がい者への理解を深まり、そのことが就労や雇用をより可能にし、引いては障がい者の自立に繋がるのではないかと思いました。
地域への移行を更に促進させ、そして障がい者の社会参加を促進させるため「皆で頑張ろう!」と思った研修でした。