天災よりも怖い人災

 正にこの年末は人災の嵐が吹きすさんでいます。天災のように人が死んだり怪我をしたりはしませんが、地震の時のように自治体の避難所が開設され食事や寝床の提供がされる訳ではないので、職を切られたと同時に路頭に迷ってしまう状況は、正に天災よりも怖い人災といった感じです。
 また、地震の時には見舞金や義援金が寄せられましたが、今回の首切りでは雇用形態の関係から、社会的な保障も殆どありません。
 しかしながら、このような状況になることは誰も予想していなかったことではないように思えます。もっときちんと備えをしていたら?と思えることも多々ありますし、現代社会において、困って居ない時の自分は「人が困っていても自分は関係ない!」という考えを持っている人は少なくないかと思います。
その考え方は、昭和年代盛んであった労働運動を沈静化し、労働組合を弱体化させ、ついには消滅させてしまった思想に通じるのではないかと思います。
 「人のため!社会のため!」と思って生きている人は、災いに遭っても人や社会が助けてくれるのではないかと思います。しかし、社会の絆が薄れコミュニティが消滅しつつある都市部では、利己的な考え方や価値観が横行し、「自分のため!」とのみ考え行動していれば、困ったと時は誰も助けては呉れないのではないかと思います。
 つまり、「人のため!社会のため!」は一種の備えであり、そのような考え方が主流になれば今回のような首切りも無かったのではないかと思います。