兼坂さくら さん講演

hiroshikaro2009-02-03

2月1日夕方 スイス在住の国際農業ジャーナリストの兼坂さくらさんをお招きして「スイスのグリーン・ケア」についてお話を伺いました。
スイスは人口750万人余、その内20%が外国人、38%がスイス国籍を持つ外国人であるとのことで、半分以上の人が外国人であるとのことで、正に多文化が入り交じる国です。そのような多様な価値観が存在する国での舵取り「政治」には大変興味があります。
人口比率1%という外国人が未だマイナーな存在である日本に於いては、外国人を一括りにして対応してしまう傾向が多いようです。
兼坂さんのお話では「スイスはイスラム諸国からの民族に占拠されてしまったのでは?」と感じる程、イスラム寺院が多く建設されたとのことです。
しかし、そのようなスイスが何故世界に誇れる「緑を残し自給率を維持する農業政策」を展開し、そして世界のお金がスイスの銀行に集まり続けるのか?不思議でなりません。
お話を通して感じたことは、国民の中にきちんとした共通の哲学のようなものが浸透しているということです。例えば「現代に生きる者は、今の地球は先祖から預かっている物、その地球を汚すことなく未来の子ども達に受け継ぐ義務がある。」というような考え方に深く感銘を受けました。
その考え方から自然や環境を守り、農業を守り、そして其処に住む人間、動物(家畜)はもとより、虫までを大切にする考え方が、スイスに住む人たちの共通理解としてしっかり根付いているように感じられました。
その共通理解の上に立った「農業政策」や「福祉政策」だからこそしっかりしているのだと思いました。
個人の意見や権利:我が儘を尊重するが余り、公共やコミュニティが疎かにされている現代の日本。個人の主張で公共の事業がストップされたり、また逆に環境や自然が破壊されたりしてしまう現状を目の当たりにしていると、一体日本はどうなるのか?と案ぜずにはいられません。
「個を大切にする」ことは、全体の調和を維持していくために必要なことであるというスイスの思想、一方「個を尊重する」ことが民主主義の根幹と考え、全体の調和が保つことが出来る?と考えている日本の思想に大きな疑問を持ちました。
スイスは「草の根運動」が盛んとのこと、何か疑問や不満を感じたら「自ら積極的に動いて解決していく」日本のように、政治や行政に何か言って動いて貰うような行動は取らないとのことです。
自ら考え、自ら行動出来るような人材養成のための教育が必要であると強く感じた講演会でした。