雪のながおか

hiroshikaro2009-03-03

 農園芸分野における障がい者就労支援のセミナーやそれに関する話し合いをすると必ずと云って「冬の作業・仕事が話題になる」また、先日の愛知県を視察に行った時も、農家の皆さんから「雪が降らの〜ていいの〜」との言葉が発せられる。
では、一体雪が降らなかったら何か出来るのか?具体的にやることがあるのか?というとそこまで考えは及んでいないようで、唯、雪が我々の活動を阻害しているのだとの考え方が雪国の人間には根強くあるように思える。今年のように暖冬少雪の冬でも、いつもの冬と変わらぬ生活をしているのだが?
 雪の問題は何も今もって始まったことではない。現在放映中の「天地人」でも雪国越後の状況が紹介され、当時、雪は自然の要塞と考えられており、雪が降れば他国からの侵略はないという正に利に働く代物であったように思える。
よく考えれば、雪は多くの恵みを与えてくれる。
まずは、豊富で良質な水、その水を上手く使えば、将来商売をすることも可能である。所謂「水商売」である。農業用水の量は現在使用している全ての水の3分の2も占めている。つまり、農業用水を節約し、生活用水や工業用水に回すことで、雪国の自治体は利益を得ることは十分可能である。近未来、水は石油に代わる重要な「液体」となるはずである。
そして雪の下で春を待ち望んでいた山菜、加えて最近気付いたことだが、雪が降るので、皆冬囲いをするし、雪が消えればその囲いの後片づけをする。つまり、新潟の家周り、屋敷は雪の降らない所に比べ非常に整理整頓が行き届いているように思える。逆に雪の降らない地域の屋敷は長岡弁で云う「だりこっぺ〜」である。また、春を待ち望む雪国人は庭にたくさんの花を植えている。他県に比べると春先は花が多いように感じられるし、私は雪国の春が一番好きである。


人の肌もきめ細かく色白で、新潟美人は、秋田美人、京美人と共に日本三大美人に数えられている。
 このように雪のプラス面もたくさんあるのに、我々雪国人は悪いことばかりを口にして、ついつい落ち込み、引っ込み思案になってしまうのが大きなマイナス面である。
 もっともっと雪国のメリットを見出し、人に自慢するくらいの積極性を持つことが必要ではないかと思うが???雪の降らない所のことを恨めしがって、お化けは出ても何も生まれては来ない筈だが?