将来の夢

hiroshikaro2009-03-05

 今日わが母校栖吉中学校の第62回卒業式が行われました。小生は第26回卒業生なので、36年前に卒業したことになります。卒業生の総数は5,912人なので再来年には6,000人を越えることになります。
 今回、そして何処でも来賓の方々の挨拶には必ず「夢を持って生きなさい!」「明るい未来を信じて生きなさい!」「素晴らしい人生を送りなさい!」「前途洋々の皆さん!」等というような言葉が連発されます。
実際小生も小学校のPTA会長を務めた時には、同じような単語・言葉を連発したものですが、本日挨拶を聞きながらメモをとっていると果たして「夢とは何ぞや?」「明るい未来とは?」という疑問が湧いてきました。
 当然我々年配者が中学生の頃に抱いた夢と今の中学生が抱く夢は違っている筈ですし「現実ずれ」している大人が考える夢と、汚れのない若者の夢は違って当然であると思いますが、来賓が云う「その夢とな一体何なのか?」「具体的にはどういうことなのか」が語られないで終わってしまいました。

 因みに、今大人や親が考える子どもの将来に期待する夢は「苦労することなく、汗水流さず、楽してお金に不自由せずに暮らせること。」「有名になり、社会的に認められ、貧乏ではなく金持ちになること」ではないかと思いますがどうでしょうか?
 本日配布された冊子に書かれていた卒業生の「目指す自分の姿」は様々で、

  • 初の世界大統領
  • 看護師をして身長155CM
  • 舞台関係とか声が出せる仕事
  • サッカーのコーチを目指して頑張る
  • 世界で活躍する立派な通訳
  • 信頼され、思いやりのある素直な大人になりたい
  • 親孝行出来るような立派な人間になる
  • 人の役に立てる人に自分はなりたい
  • 僕は将来、責任を持って行動出来るようになりたい
  • 私はやりたいことをしていたいです
  • 人として当たり前のことを当たり前にする
  • 太陽の如く明るく元気に人生を楽しむ
  • ちゃんとした大人になりたい
  • いい仕事につきたい
  • 頑張らない人になりたい
  • 将来はちゃんと働きたい

等が書かれていました。
 これを見ると我々大人・親が思っている姿とは随分隔たりがあるように思えます。
 「平凡でも真面目に人並みに生きて行くこと」が今時の中学生の夢なのかとも思いますし、決してそのことは否定はしませんし、現代社会に於いては、正に堅実で実現可能な夢なのかと思います。
 しかしながら、卒業生代表の答辞には、学校行事である運動会や文化祭等、自分たちで企画し実行したものが一番の思い出として残っている。そして、京都への修学旅行での自由コース・日程は、仲間同士で膝付き合わせて考えたものなので、行く前から期待が膨らみ、そして現実は更に素晴らしいものであったという感想を聞くと、僅か1日のことなのに本当に良い経験をしたのだな〜と感心し、その経験がきっと将来に生きて行くことだと確信しました。
 生きる楽しさ、人との関わりの中での成功を学んだ卒業生には、正に前途洋々の未来が開けていると思いますし、思いは控えめなのかも知れませんが、現実は大きく花開くことだと期待した素晴らしい卒業式でした。