儲からない国の仕事

 今朝の日報朝刊に「北陸新幹線工事、県内企業受注額12%」という記事が載っていた。概要は「新幹線工事は高度な技術を要するので、大手ゼネコンしか対応できない。よって、地元の業者は地元の工事でありながら受注することが出来ない」ということである。
 地元業者が請け負うのは、大手ゼネコンの下請け、孫請け工事であり、当然その分儲けが少なくなり、地元経済の活性化に対しても余りメリットはない。
 4年半前の中越地震の際の復旧工事についても、国は時間的制約を付け一気に復旧工事を片付ける条件を付した。被災した我々地元民にとっては、復旧工事が迅速に執り行われることは大歓迎であるが、緊急性を要しないようなものまでもがその対象となり、山古志などでは工事車両による渋滞が生じたり工事が輻輳してしまい思うように工事が進まないという結果を招いた。
 加えて、時間的制約のため当然地元の業者だけでは対応できず、県外はもとより東京の大手ゼネコンまでが進出してきた。特に、国直轄事業といって、県に任せてはおけないということで、国土交通省農林省林野庁などが出張ってきたが、当然国がやるのだから県や市がやるよりも予算付きは良く、迅速に工事が実施された。しかし、震災で被災した地元には余りお金が回ってこなかったような気がする。
 「新潟県の基幹産業は土建業だ」という話は以前良く耳にしたことがある。米どころ新潟といっても農業で生計を立てている家庭はほんの一部である。結局は土方などの日雇いに出ながら農業を営む兼業農家がほとんどである。つまり、土建業が不況になると農業も大変になるという構図である。
 土建業というと今も昔も「選挙、献金、談合、汚職」と余り良いイメージはないが、新潟県民の家計を支えている重要な産業であるということは事実であるから、出来るだけ地元の仕事は地元業者で受注できるような体制を整備しなければならないと思う。
 そのためには、業者のなお一層の技術向上が必要であると同時に、公共もその技術を磨くための現場、機会を与えなければいつまで経っても技術の向上はないと思うが???
 中央集権国家の日本では、なかなかそうも行かないとも思うが???