職業・教育と訓練

 今ハローワークは大賑わいだ!多くの職を求める若者で一杯だ!
 一方、先日書いたが、長岡技術科学大学の卒業生に関しては、1人に対して30もの求人が殺到するとのこと、この格差に唖然とする。
 これまでの日本社会は、就職先である企業が新人の職業訓練・教育を担ってきた。新人は会社人間として技術ばかりでなく精神から考え方まで会社・企業的な教育を受けたことで日本型終身雇用の制度が成り立って来た。
 働く者にとっては、会社や仕事が第一であり、家族はその次、つまり家族を犠牲にしても仕事を優先するという考え方が罷り通ってきた。今もなお昭和30年代以前に生まれた世代、そはそのように考える人は少なくない筈だ。
 バブル崩壊後、日本の企業は何処も彼処も、そして役所までもが、汲々としており新人教育に金も時間も割いていない。
 失業者が多く就職難の買い手市場の今の日本社会に於いては、人材を育成するよりも、有り余る求職者の中から人材を探した方が経済的であると考え、人を育てることを忘れ、安直に人を代える〔買える〕ことで会社を運営していこうと考えてはいないか?
 このような状況でありながら、日本の教育の内容は旧態依然一向に変わらない。日本の高等教育:高校・大学教育においての職業訓練的な教育は、残念ながら今でも積極的であるとは云えないと思える。
 そのような社会であるから、社会・企業・会社で直ぐに働き役立つような人は育つ筈はなく、それでは、一体誰が責任を持って若者の職業教育・訓練を行うのかさえ明確になっていない。
 今の風潮は、政府も自治体も「構造改革」「経費節減」を叫んで、直ぐに成果が現れない教育費を削減してしまうきらいがある。
 このように教育の抜本的な見直しから手を抜いたがために、今の若者は、社会で即戦力とはなり得ず、労働者と企業とのミスマッチも多くなり、若者の失業者が溢れかえり、社会不安が広がっているのが現状であると思う。
 現在、ハローワークの紹介で通称「ポリテク」で職業訓練を受けている若者も少なくないが、もし、そのような職業訓練・教育を社会に出てから受けるのであれば、高校や大学時代により実践かつ職業訓練的な教育を受けるべき、受けさせるべきかと思うが?
 先週金曜日の文京福祉委員会で「図書館」の充実を叫んで質問した。市民の知恵や教育レベルのバロメータとして良く使われるのが「図書館の利用者数」「本の貸し出し数」などで、近年不況も反映してか図書館の利用率が高まってきているのだから、図書館の充実が市民の教育レベルの向上に繋がる筈なのだから、図書館費をもっときちんとつけるべきと力説したが???残念ながら前向きな答弁は得られなかった。