ムスタンの王様 近藤亨先生

hiroshikaro2010-03-31

 昨晩、長岡市健康センターでネパール・ムスタン郡の開発に命を掛け続けておられる88歳の古老、近藤亨さんの講演会があり、会場に入りきれない程の方々が参加されました。
以下、講演で感じたフレーズをまとめてみました。
 貧しいネパールのムスタンよりも、現在の日本の方が心配!
 よし何かのために頑張ろうと思っている越後人が何人居るのか?
 農民の根性、越後人の根性が薄れている!
 爺ちゃん、婆ちゃん、父ちゃん、母ちゃんが農業をやっている「後姿」を見たことのない子どもが、農業を志す筈がない。
 農政が悪い役人が悪いとばかり言って何もやらない、農民が一番悪い!
 農家の子どもの躾がなってらん!
 農業改良専門技術員をしている昭和50年代前半、国や県は「農業の機械化、規模拡大」と言っている時に「馬鹿なことをするな!」と苦言を呈した。
 豊葦原の日本が食糧自給率が世界で一番低いとは何たることか?
 国際貿易で貧しい国から食糧を輸入してやることが正しいと言いながら、食糧自給率をこれまで下げてきた外務省や政治家はおかしい。
 その政治家を選んでいる国民は自業自得だ!

 貧しい国の連中と農業で一緒に国づくりをすることを目指し、52歳で奮起し70まではJICAの専門家で国の果樹プロジェクトに携わり、その後、私財をなげうってムスタンに入り、これまで17年間ムスタンで頑張ってきた。
 ムスタンの人たちには、これまで俺がやってきたことを真似、そしてついて来いと言っている。
 農業だけの国作りを目指している。
前立腺がん、糖尿病、心不全と大病を抱えているが、「何くそ」の根性でこれまで生き延び元気でやってこれた。
 88歳の爺様に負けるな!子どもや孫に農の素晴らしさを叩きこめ!
 日本のホームで暮らす70歳の老人の夢は朝の御馳走や孫や家族に会えること。老人は自らの幸せしか考えていない。
 年をとっても日本のことや政治のことにもっと興味を持って欲しい!
 日本は天下泰平で良いと思うが、ネパール ムスタンは「学校がない」「食べ物がない」「お金がない」しかし「感謝の気持ち」に溢れている。
 遠くの学校へ通う子どもたちは、通学に時間がかかるため、親の仕事を手伝うことができないことに心を痛めながら勉強している。
 父母を助けながら頑張って勉強している姿は素晴らしい。
 日本の親は経済活動に夢中になって、子どもの躾を疎かにしてきた。
 ネパールには資源がない、その代わり農業そして観光を資源として育ててきた。
 ボランティアとは、余ったお金や力を恵むのではなく、自らの全てを捧げることである。
 ムスタンで実践してきた農業は「総合農業」である。総合農業とは果樹、畜産、稲作等多品目の生産を上げる農業である。
 日本、欧米の農業は専門化し過ぎたため、循環的、連携的かつ持続可能の農業が出来なくなった謂わば「片輪の農業だ」
 このように現代日本農業そして親の教育そして国際協力など広い分野に亘って、大変示唆に富む感動的な講演会でした。
 私も、「近藤爺ちゃん」に負けないよう!がんばらなくてはならないと思いました。