元気一杯の爺ちゃん

バサとジサ

 トリア市からの訪問団を引率し、今年3月31日に長岡市編入合併しました旧川口町の木沢地区にある小学校の廃校校舎を活用した宿泊研修施設「やまぼうし」を訪問しました。
 しめ縄作りを体験するということで、講師で対応してくださった92歳の爺ちゃんは元気一杯。冒頭の自己紹介を終えての質問コーナーでは「ドイツ人はどんなものを食ってるがか?」「米は食うのか?」「日本に来るのだから、おめさん(あなた方は)たちは金持ちんがろ〜」「ドイツでは俺が知っている街はベルリンしかない!」「大東亜戦争で、韓国や満州そして樺太へ行って来た!」と爺ちゃんの独壇場でした。
 逆にドイツ人のご婦人からは「どうしてそんなにフィットで元気なのか」「毎日田んぼや畑のある所まで片道2kmを午前午後2往復している。車を使わず歩くことが日課で、自分で作った米や新鮮な野菜を食べている」「医者に掛かったことがあるのか?」「医者も近くにいなし、医者へ行く用事もない!」

 しめ縄作りを教えていた年配のドイツ人のご婦人に「おめはバサ、俺はジサ」と日本語を楽しく教えていました。
 言葉は通じませんが身振り手振りで一生懸命ドイツ人に縄の結い方を教えている姿に接し、あと20年位は大丈夫では?と思わせる元気一杯の爺ちゃんでした。
 子どもがひとりもいない、高齢化率(65歳以上の人口比)が5割を超えている木沢地区ですが、この爺ちゃんを筆頭に皆で力を合わせてがんばろうと「やまぼうし」の運営も住民主体で行っています。婆ちゃん(おばさん)たちが作ってくれた山菜や野菜が豊富な美味しいお弁当をお昼にいただきました。
 婆ちゃん達は、しょうしい:恥ずかしがって、写真やドイツ人と話そうとはしませんでしたが、既に人生の悟りを開いた爺ちゃんの積極的な態度、そして未だ衰えない知識欲に感激し、ドイツの実情という本を一冊上げてきました。目も耳も未だ達者な様で「帰ったら読ませてもらいたい!」
 爺ちゃんから大きなエネルギーをもらった交流会でした。