9月本会議一般質問

hiroshikaro2010-09-10

 本日、本会議におい一般質問を行いました。5,555字もの長文ですがご一読いただけましたら幸甚に存じます。
 市長答弁は長岡市議会録画中継もご覧下さい。(http://www.city.nagaoka.niigata.jp/sigikai/議会録画中継→最近の録画→9月議会2日目[9月10日]→家老洋でヒットします。)
しんし新政クラブの家老洋です。通告に従い、
1.国際交流と平和活動の推進について
2.まちなかキャンパスの運営について
3.地図混乱がもたらす地域の諸課題の解決について
 の3つのテーマについて質問します。
 初めに、国際交流と平和活動の推進について」質問します。
今年は長岡空襲から65年、去る8月1日には、慰霊と平和への願いを込めた数々の行事が開催されました。
 早朝、6時の戦災殉難者慰霊祭から始まり、7時の早朝墓前供養、8時からの非核平和都市宣言市民の集い、午後の「ながおか平和フォーラム」、そして夜7時から柿川灯籠流しが行われ、長岡空襲で亡くなられた1,480人の方々の冥福を祈ると同時に、非核平和都市宣言を行いました。
「ながおか平和フォーラム」では、長岡空襲紙芝居「思い出の記」が上演され、大変感動し、改めて空襲の凄さと悲惨さを感じ、決して戦争はしてはいけないという「非戦の誓い」を自らの心の中で行いました。
また、長岡空襲の体験者と平和について学習している中・高校生3人が、空襲を語り継ぐことの尊さを語り合うのを聞いて、これらのファーラムや平和活動の目的が、しっかり若者達にも伝わっていることを確信しました。
 長岡市は、空襲で亡くなった方々を偲び、そして戦争を知らない世代に、恐ろしい悲惨な空襲体験談を語り継ぐことで、今の平和のありがたさに感謝し、そしてこれからも平和な社会を継続していくよう一生懸命に取り組んでおられる活動に、一市民として誇りに思うと同時には高く評価しており、長岡空襲の体験を風化させずに語り継ぐことにつては、今後も力を入れて行って欲しいと思います。
 しかし、ながおか平和フォーラムでもお話がありました通り、現在、空襲の悲惨さを語り継ぐ、語り部は、殆どが70歳半ばを越えた方々で、もうあと何年語り部を続けてもらえるか分かりません。

このように、これまでの語り継ぐという手段だけでは、私も含め戦争を知らない世代、そして特にこれからの未来を背負って行く児童・生徒・学生達に、非戦の誓いをさせると同時に、平和の有難さを教え、その平和を広めることは大変難しくなって来ているのが現状です。
昨日の本会議でも「ハワイホノルルとの国際交流」で、平和の大切さ、戦争の悲惨さを若い世代に伝えたいとのお話しがありました。
これまでの長岡市が実施してきました国際交流の目的には、友好親善、相互理解、異文化体験が前面に出され、長岡を訪れる方々への対応は、花火見物、寺泊観光、博物館・神社仏閣巡り、異文化体験と称して書道、武道などの体験、そして関係者との交流パーテーという行事・日程が中心であったとように思えます。
これからの国際交流は、これまでの目的にプラスし、子ども達への平和教育といった面を取り入れ、まず、長岡を訪問するフォートワース市やトリア市等のグループ、そして長岡市在留の外国人の方々と「平和をテーマ」に話し合ったり、長岡空襲のこと、戦争のことなどを一緒に学習したりする
『これからの世界平和について考えるフォーラム』というような事業を企画、実施し、全国そして世界に「戦争は絶対してはいけない、非戦の誓いと、平和の大切さ、平和のありがたさ、平和の祈り」を長岡から積極的に発信してみてはいかがかと思います。
 それでは、
?現在、長岡市で取り組んでいる平和推進事業にはどのようなものがあるかお聞かせ下さい。
?国際交流の真の目的は「世界の恒久平和の希求」であると考えます。姉妹都市などとの交流、そして在留外国人との交流においても、次代を担う青少年に「戦争の悲惨さや平和の尊さ」を一緒に議論したり、戦災資料館などを見学したりする等の平和教育を通し、相互理解を増進する企画事業をどんどん進めるべきかと考えますがお考えをお聞かせ下さい。
昨年、軍隊生活を経験し、82歳で亡くなりました父が、20年前に書きました文章を紹介させてもらいます。


「貧乏の中から戦争に突入し、戦争が起こると景気が良くなると考えられた時代も思い起こし、記憶を辿りながら、自分の生きていた道を振り返り、再び日本人が戦争に巻き込まれないように、若い人達にも父や母が、祖父や祖母達が生き抜いた苦しみを語り継いでいって欲しいと念願します。今の豊かさが、長寿の時代が、何によってもたらされているのか、人を犠牲にしてはいけないとしみじみ感じながら、初心を忘れることなく生きてゆきたいと思っております。」
 私も微力ながら父の意志を継ぎ、これからも国際交流を通しての平和活動の推進に取り組んで行きたいと思います。

2番目の質問「まちなかキャンパスの運営について」を質問します。
中心市街地における新たな「学び」と「交流」の拠点として「まちなかキャンパス」が整備されます。
森市長が就任されてこの方、長岡市は、子育て中の親や乳幼児のための「子育ての駅」、中・高校生を対象にした「まちの駅:市民センター内の地球広場」の開設など、「駅」いわゆる「溜り場」作りに力を注いでこられましたこと高く評価します。
そして、今回、大学生や高専生、そして専門学校の学生達が集う場、「まちなかキャンパス」が整備されれば、小学生児童のための児童館、児童クラブと併せ  「ゆりかごから成人」まで、若者の各年代層が集う場が完成し、将来長岡を背負う青少年の健全育成に大きく寄与するものと期待しております。
 現在、長岡技術科学大学長岡造形大学長岡大学そして長岡高専の3大学1高専の学生・大学院生の総数は、約5,700。
NSGや北陸学園などをはじめとする専門学校の学生数が約1,200、そして日赤や中央病院などをはめとする付属の看護や介護の専門学校の学生数が   約600ですので、延べ7,500名もの学生が長岡市内で学んでおります。
 残念ながらこれまでは、大学・高専そして看護や介護の専門学校は郊外に分散している理由で、中心市街地では大学生や専門学校の学生の姿を余り見ることはありませんでしたが、まちなかキャンパスが整備されることで、たくさんの学生がまちなかを闊歩するようになることを大いに期待するものであります。
そこで、

? まちなかキャンパスでは、学びの場提供だけでなく、大学生や専門学校生が気軽に集うことのできる交流の場としてはどうかと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。
さて、これまで、長岡技術科学大学修士論文の発表会や長岡造形大学長岡大学の学士論文発表会等に参加させてもらいました。
去る3月に行われた長岡技術科学大学修士論文発表会は、長岡市のまちづくりや農村の活性化策など、長岡市政に対して提言する内容が多く、大学教授の指導の下、直ぐに市政に反映できるような素晴らしい内容のものばかりで大変感心しました。
そこで、
?大学生など、学生が市政に対して提案をし、それを市と学生とが一緒になって具現化する。いわゆる「学と官の協働」を実現する場としてまちなかキャンパスを活用できないかと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。
次に、
 現在、長岡に住む外国籍市民は2,300人余です。その内、約400人が大学留学生とのことで、他の方々にとって、日本語を学ぶ機会は「地球場」、或いは、民間の語学学校くらいしかありませんので、
?まちなかキャンパスにて、外国籍市民のための日本語講座を定期的かつ頻繁に開講していただきたいと考えますが、お考えをお聞かせ下さい。
また、これまで生涯学習の拠点として、市民大学の講座が開かれてきました柳原分庁舎に比べ交通の利便性が増すので、これまで以上に多くの市民が集まれる場所となると思います。これまで取り組んでこれらました生涯学習関連の事業そして市民大学の内容の一層の充実をお願いしたいと思います。
次に、
長岡市民には森市長を代表するような、様々な人脈を持たれた方々が大勢おられます。そのような市民が持つ人脈を活用し、市民からの公募により、各界で活躍する講師を「まちなかキャンパス」に招いて、お話していただく場として活用できないかと思います。
まちなかキャンパスでは、常時、各界の著名人を講師とする講座・講演会が開催されていれば、沢山の市民、そして全国からも大勢の方々が参集されることが期待できます。
つまり、
?駅に近い利便性を生かして、各界で活躍する講師を市民とタイアップする形で招聘することについてお考えをお聞かせ下さい。

最後に「地図混乱がもたらす地域の諸課題の解決について」を質問します。
 私はこれまで森市長が就任された直後の平成11年12月本議会で、「国土調査事業の実施について」そして平成18年6月本議会で「地籍調査事業の着手について」を質問しました。その他、常任委員会や特別委員会においても「地籍調査事業について」再三質問させてもらっておりますが、残念ながら私が要望しております長岡地域においては未だ地籍調査事業は実施されておりません。
 今回は地籍調査事業実施について質問するのではなく、地図混乱がもたらす地域の諸課題をどう認識され、今後どう解決されるかについて質問します。
 まずは、地図混乱地域とは、一定の地域で広範囲にわたり、登記所【法務局】の公図いわゆる更正図と現地との対応する位置及び形状、地目等が著しく相違している地域で登記実務上の呼び名です。
 地図の混乱は様々な要因が複雑に絡まりあって発生したと考えられますが、いずれにしても混乱している地域では、多くの問題が山積しております。
初めに行政的な課題として
 土地の面積が正確でないので固定資産税、下水道受益者負担金などの各種負担金、土地改良事業に関わる賦課金等、税や負担金を適正に課税出来ない。
 道路拡幅や下水道敷設などの公共事業が思うように進めることが出来ない。
 下水道管、水道管、ガス管そして電気などの地下埋設物等の公共インフラの管理がスムーズに出来ない。
 国から譲与されました法定外公共物:いわゆる赤道、青道の管理がスムーズに出来ない。
中越地震の際、災害復旧事業が思うように進まなかった。また、更正図を直さずに現況復旧したものについては、今後大きな問題が生じる恐れがある。
 など、挙げれば切がありませんが、最前線で活躍される市役所の担当者は、様々な課題に直面され、そして、それらの課題を一担当者として、一部署として解決できる問題ではないことも、良く理解されておられることと思います。
次に民間の問題としては、
 境界が明確でないため隣同士の紛争が絶えない。
 住宅建築が思うようにできず、出来たとしても測量調査のための多額の経費が必要となる。
 土地の分筆が出来ない、土地の面積が明確でないなどの理由で土地売買がスムーズに行かない。
 法定外公共物 いわゆる赤道、青道の上に家や構造物が建ち不法占用している。
 昔の道では狭かったので隣同士で土地を出し合って拡幅したが、登記手続きを怠ったため現況は道路なのに宅地として課税され続けている。
 昔の河川や道路等の災害普及事業で川筋や道路の法線が変わったにも拘わらず、登記手続きがきちんとされなかったため自分の田んぼが川底にあり、現在でも課税され続けている。
等、課題は多種多様に亘っています。

?さて、これら課題、特に先に挙げました行政的課題については、どのように認識され、対応されてきたのかお聞かせ下さい。

次に
?先にも述べた通り、過去本会議において2回、委員会などで再三質問して参りました「地籍調査事業」の実施は、地図混乱地域における諸課題を解決するひとつの方法と思いますが、長岡地域における地籍調査事業着手に関するこれまでの取り組みはどうであったかお聞かせ下さい。
今、地図混乱地域としてこれまで困っておりました松葉・蔵王地区において、今年度新潟地方法務局登記所備付地図作成作業が実施されており、作業内容は、対象面積0.28K?、1400筆、500人強の関係者の地籍を更正する作業が年度末の完了を目標に実施されております。
そういった意味では、地図混乱地域の行政課題を解決する方法は、何もこれまで私が言い続けて参りました「地籍調査事業」に限ったものではありません。
そのような手法も踏まえて、今後、地図混乱がもたらす地域的課題を行政としてどのように解決されていかれるのかの具体的な対応策をお聞かせ下さい。
昨今の経済状況下で国民所得が減少する中、消費税の増税暫定税率、エコ減税など毎日の話題になっていますが、地方の税収の根幹をなす固定資産税については余り話題になりませんし、地図混乱がもたらす適正さを欠く固定資産税の課税については、殆ど問題にされていません。
「寝た子を起こすな!」正に「地図混乱がもたらす地域の諸課題の具体的解決を図る仕事」は、それまで意識していなかったこと、分かっていなかったことを利害関係者に教え、正すことですので、大変なエネルギーと経費が掛かる仕事で、利害関係者に苦情を言われる難儀く嫌な仕事です。
また、これらの仕事は縁の下の力持ち的なところがあり、目立たず、そして一般的には余り評価されない仕事です。
しかし、先送りにすればする程、課題の解決は難しくなるのも現実で、実際困っておられる市民は少なくないはずです。
いつかは誰かがやらなければならない仕事です。
市町村がやるか、県がやるか、国がやるか、
市役所の中で、農林がやるか、土木がやるか、財務がやるか、企画がやるか、総務がやるか、どこがやるかは官僚が決めるのではなく、政治家が判断を下すことだと思います。
是非、森市長の英断をもって、これら地図混乱がもたらす課題の解決を一歩でも二歩でも前に進めてもらうことを期待し質問を終わります。
以上