障害・障害者を知る研修会

hiroshikaro2010-09-15

 昨晩、ワークセンター千秋で20名の参加者を集め第1回「障害・障害者を知る研修会」を開催しました。
 障害者施設の「みつけワークス」の小林克太郎施設長から「障がい」て何だろう?と題して
☆自立支援法が残していったもの
☆障害の捉え方
☆支援者として自分が体験したもの
☆支援者として自分の体験から感じる事
の項目に沿ってわかりやすくお話ししてもらいました。
 自助努力、自己責任のアメリカ型福祉と社会保障制度の欧州型福祉という分け方はよく理解できました。
 日本はアメリカ型福祉だそうです。

 その後、私から『今後の福祉行政』と題してお話しさせてもらいました。
☆福祉とは、老人や障害者等困っている人の為にある言葉ではなく、みんなの為にある言葉で、分かり易く訳せば「福祉=幸せ」であり。皆で幸せになることが福祉の目的である。
☆老人福祉つまり介護福祉制度は現在しっかり確立されるつあるが、障害者福祉制度はまだまだ遅れている。大きな理由は、25%を超える高齢者の数と6%の障害者の数の違いである。
☆政治も行政も選挙権を持つ多数の集団を対象に施策を行うのが中心で、例え昨年政権交代が実現しても、選挙や政争に明け暮れている今の民主党政治では、今後直ぐに障害者福祉に日が当たることは期待できないのではないか?
☆加えてこれまでの福祉行政は、所謂「箱物行政」であり、一般市民に障害者に対しての偏見を持たせず、障害者自身には差別を感じさせないという目的から、障害者を『隔離』しひとつの箱の中に入れ安全かつ効率的に管理してきた。
☆今障害者の家族が行政に期待していることは、箱を十分に作って欲しいということだが、現在の日本の財政・政治状況では、箱の増設はほとんど期待できない。
 では、どうするか?
☆行政がやる福祉に頼るばかりでなく『やってもらうから、自らもやる』に親の気持ちを変えていかなければならない。
☆障害者を箱から出し、障害のことを皆から理解してもらい、皆の力で支え合い、皆で一緒に幸せに生活する『コミュニティ、オープン、ユニバーサル』という理念が大切である。
☆その事が実現できるフィールドとして農園芸がある。
 とお話しさせてもらいました。

 最後に、ユニバーサル農園芸えちごの会計を担当、いつも沢山の施設利用者が畑作業にさんかしてくれるワークセンター千秋の木下徳子施設長から『畑で活躍する障害者』と題して、ユニバーサル農園芸えちご の活動を紹介してもらいました。
 参加された自閉症親の会、精神障害者親の会のメンバーからは、
☆現在の障害者行政の在り方が良く理解できた。
自閉症精神障害のことが親同士話し合ったことでお互いの障害が理解できた。
☆農園芸分野が障害者の就労の場であり、溜まり場であることが理解できた。
 一方、ユニバーサル農園芸えちごの実行委員は、
☆障害者の親の考え方が理解できた。
☆障害者も家族も箱から飛び出し、もっと積極的に参加してほしい。
 等、前向きの意見が出され、本当に充実した研修会となりました。

 次回は、11月27日(土)13:30〜16:00頃 ワークセンター千秋 1F地域交流室で開催することにしています。 今回より具体的な内容で、ワークショップなども実施しながら「障害」への理解を深めたいと思っていますので、多数の方の参加をお待ちしています。
 ユニバーサル農園芸えちご 家老洋