第4次災害

 今日テレビを見ていたら、いわき市長が『我々は、大地震津波原発事故による放射能、そして4番目の災害、風評被害という災害に遭った』と切ない思いを吐露されていました。
 テレビの映像では、放射能汚染を恐れて誰も外には出られず、加えて流通をはじめとする外部からの往来交通も途絶え、復旧というよりも、その日の食料、生活に困っている様子が放映されていました。
 番組での放射能の専門家の話では、50km以上離れているいわき市街では、放射能による健康被害は殆ど無い筈であるが、いわき市は以前全国一面積の大きい市であったがため、いわき市の北の一部が警戒地域に入っている理由で、市街地にも人が寄りつかない状況であることを嘆いていました。
 目に見える交通網は復旧しても、風評被害という目に見えないバリアが人々の心や頭の中に出来てしまい、その目に見えないバリアを打ち破り、それを除去するのは並大抵のことではないと云うことを今実感しています。
 子どもの頃、怖いものの序列で『地震・雷・火事・親爺』という諺を良く口にしましたが、今は『風評被害放射能(事故)汚染・津波地震』で、昔はなかった2つの『風評被害放射能事故』という人間が作った人工のものが、自然の力よりももっと怖い災害になってしまったことは、我々人間の愚かさを感じずにはいられません。
 あの津波の映像、そして残された瓦礫の市街地を見れば、自然の力の凄さを感じずにはいれませんが、その後の原発事故で何万人もの人々がそこに留まることが出来ず、各地へ疎開し、何時終わるかも知れない避難生活を強いた『原発事故』
 放射能の知識が乏しい一般市民に「情報公開」という大義名分で、政府や専門家、そしてマスコミが、放射能の数値だけを示しながら、神経質とも誇大ともいえる警報・指示を出し続けることで、復旧・復興にまで大きな支障をきたす『風評被害』を招いている責任は重大だと思います。
 情報隠しは良くありませんが、情報の垂れ流しはもっと大きな問題を生じさせるのではないかと思うと同時に、それをスキャンダラスに報道するマスコミ特にテレビ報道のあり方にも大きな問題があると思います。
 被災された皆さんが安心して生活出来る日が一日も早く来ることを毎日神仏に手を合わせて祈っています。