金取る仕組み

 夢を売る商売「ディズニーランド」は、金取る仕組みがしっかりしている。
 ディズニーランドを訪問する時は、アトラクションを楽しむというよりは、来場者からどのようにして喜んで貰いながら効率的にお金を取るかという仕組みを学ぶことも私の一つの目的だ。
 入場券の販売、レストランの対応、お土産店、そしてスタンド店等、只物を売っているのではない。そこで働く職員の、しっかりとした受け答え、そして笑顔、手振り、マナー、テキパキとした仕草等、皆しっかりと教育されており、彼らの行動ひとつのプロジェクトの中の行動のように見える。
 そんな環境は、非現実的、非日常的なものであり、正に夢の楽園に居るような錯覚を提供しているのがディズニーランドであるように思える。
 つまり、非現実的、非日常的でない場所こそが夢の楽園なのかも知れないが、その楽園では入場者は職員の様に非現実的を振舞うのではなく、相変わらず現実的な行動をとるのも一寸面白いと思う。
 開園と同時に開く扉、入場者は一目散に目的のアトラクションの前に駆けて行き、それに乗るのではなく、ファストパス「優先搭乗券」を予約し、直ぐに別のアトラクションのファストパスを取り駆け回って行くのである。
 待っている時はスマートフォンを操り、折角夢の楽園に居るにもかかわらず、現実から逃れるどころか常に日常から離れることが出来ない悲しい若者も沢山見かけた。
 

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