夏草や兵どもが---

hiroshikaro2012-06-14

 阿蘇山を訪問、新潟の観光地に比べると大勢の観光客で賑わっていましたが、阿蘇火山博物館で上映された映画では、ピーク時は500万人を超える観光客が押し寄せていたとのことでしたが、その映像は20数年前と思わせるような古いものでした。火山博物館の映像もそして展示物もリニューアルされない古い資料が多く、ちょっとがっかりしました。
 また、リゾートと云われる施設も老朽化が目立つ以上に、お金を取ることのみが優先されているような感じで、施設の清掃や修理、そして草取り等が徹底されていないのは大変がっかりしました。
 また阿蘇駅の観光インフォメーションセンターには英語、中国語、ハングル語の旅行パンフレットは置いてありましたが、日本語の物はないのですか?と尋ねたところ「ありません!」との回答。日本人観光客はお呼びでないのか?とこちらはちょとムスッとしました。
 施設もそして人の対応も500万人の時の需要に合わせたもので、現在どれ位の観光客が訪問しているのか分かりませんが、当時は儲かる儲かるで後先考えずに様々な施設を建設してしまい流行が去ってしまっ現在、その施設が今度は儲けを生むどころか、大きなお荷物となってしまっているようでした。


 果たして当時儲けたのは誰なのか?地元の人たちなのか?それとも中央から来たデベロッパーなのか?そして現在大変な思いをしているのは、地元の人たちなのか?それとも中央のデベロッパーなのか?ということを考えると、身の丈に合った余り無理をしない観光開発であるべきだったのではないかと思われます。
 金儲けに踊らされ、終いには取り壊しすらできない朽ち果てた施設が残っているのを見るにつけ、以前の観光開発手法の是非を考えずにはいられない現状でした。
 世界一のカルデラ、緑豊かな大地は古より阿蘇の宝ものであり、今も変わってはいないはずですが、マクロ的な視点からすると、開発された場所は放棄され、きちんとした管理がされていない状況は、正に現代社会の問題点を露呈しているように思われました。