人が居るから政治が必要

 青森から秋田、山形と所謂、裏日本と言われる地方を新幹線ではなく、特急列車で走ってみた。
 雪の深い所、何箇所かで線路の保線区の作業員の方々数人が、吹雪いている中、線路切り替えポイントの維持のために頑張っておられた。列車の汽笛の合図で皆さん敬礼をし列車を迎えられていた。頭が下がった。
 見渡す限りの雪原、至る所にリンゴ園が見られたが、

  • 今の時季ここで生活している方は何を糧に生きているのだろうか?
  • 駅前の商店は、果たして1日いくらの売り上げがあるのだろうか?
  • どこに学校があり、子どもたちは、どうやって通っているのだろうか?

 これまで、賑やかな場所で生活してきた自分にとて、人気の無い風景には、寂しさというよりも、何か一抹の不安を感じてしまう。
 都会で云えば快速みたいな特急列車は、特急券を払わなければ乗れない。
 また、青森「はやて」秋田「こまち」そして山形「つばさ」は全て全席指定で、それを利用するためには、当然指定券:500円を買わなければ乗れない。
 現在、経済的に疲弊している地方に住む人たちに対する訳の分からない、このような負担は、益々、地方を衰退させているように思える。
 人は居なくなり、鉄道は益々不便となる。一寸でも吹雪けば、作業員が保線維持をするよりも運休してしまう方がより効率的と考えるような鉄道となってしまっている。
 人が少ないから、お金が掛かるから仕方無いと諦めるのではなく、それを解決するのが政治の役目だと思うのだが、昨今の国会議員は政治ではなく政局・選挙ばかりが忙しく、地元に居ることも週末位が精一杯で、なかなか地方・地元の事を理解する時間もないと同時に、理解しようとする努力を怠っているように思えてならない。
 一昨年3月新幹線が開通した青森市でも1月1日現在の人口が前月比で200人のマイナス、現在の人口が301千人であるので、このまま減り続ければ、もう5カ月もすれば、中核市の条件である30万人を割ってしまう。
 どうにか地方の人口減を食い止める施策はないものだろうか?そのようなことをしっかりと考えてくれる政治家は居ないのだろうか?