真の農業改革とは!

hiroshikaro2009-01-08

 石破農林大臣になってから「米の生産調整の見直し」等のテーマがしばしば話題となっており、昨日の新潟日報に社説でも論じられていた。
 農業とはひとつの産業であるから、その業を担う人材の養成が第一なのに、そちらの方は殆どといって具体的な施策は打ち出されていないばかりか、各県に1校ずつある農業大学校等の不要:廃止論も出ているし、小生が非常勤講師を務めさせてもらっていた多摩市にある農林水産省農業大学校も全く様変わりし筑波へ移転してしまった。そして小生も15年間携わってきた昭和27年から開始された海外派遣農業研修生事業も参加者が低迷していることも手伝って、今後の継続が危ぶまれている状況である。
 農業改革を行うための小生の持論は、先ず農地法の改正にある。
原則農家の子息で、親と一緒に暮らしていなければ農地の取得はもとより借りることも出来ないのが現状である。
 11年前地元長岡へ戻って来て農業委員会を訪問、四大の農学部を卒業し国内で農業実習を積み、ドイツ野菜農家で1年間実習、その後東京やドイツで15年に亘り、農業後継者の育成事業に携わってきた自分が、いざ地元で農業を始めたいと言っても「お父さんと一緒に住んでいますか?農業経営を始める資金はどうするのですか?」等の質問がなされ、結局はこれまで実現してはいない。
 一方、農家の子息であれば、学校で農業を勉強しなくても親と一緒農業をやるということになると「金の卵」と持て囃され、農業機械のリース事業や研修事業の活用、経営を始めるに当たっての当座の融資制度が受けられる。
 この現実をみると四大の農学部農業大学校等の農業教育を受けた非農家の若者は何のために農業を勉強しているのか?大部分の学生は、公務員になりたい!農業改良普及員になりたい!大学や研究機関で研究員になりたい!との希望を持っており、鼻から農業者になろうなんて思っている学生は少ないので、小生のようなことを云う若者は今でも多くないように感じる。

 以上、農業を学んだ人であれば、農地の取得や貸借を許可すると同時に、農業後継者が受けられるような制度を活用出来るよう門戸を開放すべきであると思う。
逆に、農業を学んだことにない農家の子息については、原則農地の取得や貸借が出来ないような制度にすべきではないかと思う。
 小林虎三郎の「国も興すも国を滅ぼすもみな人なり」という哲学から考えれば、正に今の農地法はこの逆を行っていると云わざるを得ない。
 生産調整の見直し等を言う前に、優秀な人材が農業に参入出来るよう農業の門戸開放を第一に実施することが肝要と考えるが?