空き地・放棄地

hiroshikaro2009-06-22

 先週ある町内会長さんから「町内の一画に10年以上も放置されている住宅地があるからどうにか対応が出来ないものか?」との相談がありました。
 早速見に行くと草は生い茂り、建物は家主を失い既に10年近くも経っているので、今にも壊れそうな様相を呈しており、そして庭木の赤松は枯れてしまい、このまま放置しておくと倒れかねない状態でした。
 両隣の方も直ぐさま出て来られ「これまでの再三管理をお願いしているのだが、10年前に亡くなった家主の縁者:相続人は東京で寿司屋をやっており、不在地主であるためきちんと対応してもらえない。ツタが自分の土地まで這い延びて来ている。通学路に面しているので、子ども達が引き込まれて何かあっては!」との事でした。
 それら苦情を取り纏め、写真をつけて市の担当課に相談しましたが今後どうなることか?個人所有の宅地ですので、おいそれと行政が手を付ける訳にもいかす、そしてその経費も行政としての出所はなく、本当に困った話です。

 聞けば、このような状態の空き地は、中心地に近い住宅街でありながら近隣に何区画もあるとのことでした。
 少子高齢化で跡継ぎがいなくなり、そして高齢者の一人住まいは難しく、その土地・建物等を管理する縁者も近くに居ない。地主が亡くなってもきちんと相続登記がなされないため売買も出来ず、只放置されてしまうという状況は珍しくない時代になったと認識を新たにしました。
 農地も含め土地の価値がどんどん低下し続けている昨今、優良な土地が金にならない、価値がないとの理由で放棄されてしまうことに大きな疑問を感じます。昔は大変価値があった土地が、時代の変化に伴い、価値を失ってしまい放置されている現代社会、お金という物差しで量り、その量りに値しなくなってしまえば「人間も土地もそして物も」ゴミのようにポイ捨てされる今の風潮を憂えずにはいられません。
 価値を失った物をどう再生し活用する「もったいない社会」の再構築に頑張らなくてはならないと思いました。