山古志キャンプ 3

hiroshikaro2009-08-28

 延長8百数mの手彫り隧道である「中山隧道」の内部は正に真っ暗闇の世界である。
 途中5〜6個?の電灯が灯ってはいたが、湿気の多い状態では、その明かりもなかなか通らない状況で、電灯から10mも離れれば直ぐに真っ暗闇になる
 また、外の気温は30度を超す暑さなのに内部は21度。ひや〜んとした涼しさに心地よさを感じたが、子ども達にとってはその冷たさが、暗闇の恐怖心をなお一層増幅しているようにさえ感じた。

 真っ暗闇を体験したことのない子ども達は、一寸怖そうな声・音を発すると直ぐに「キャ〜キャ〜」と大声を出し騒ぎ出す。当然一人では歩けないので、数人固まっての探検となり、私のリュックや杖の周りには5人も子どもが鈴なりとなって一緒に歩いて行く。出口の明かりが見えると、急に「ワ〜」と言って勇んで走り出して行った。
 「片道を体験できたのだから今度は一人で戻ってみたら?」と言うと「とんでもない怖くて一人では!」と言い、結局復路は立派に整備された国道の中山トンネルの歩道を歩いて戻った。

 電気があるのが当たり、そのお陰で暗い夜道も殆どなくなった今「肝試し出来るような漆黒の環境」はなかなか見付けるのも難しい中、子ども達にとっては中山隧道は別世界として感じられたことだと思う。
 そんなことで、手彫りの日本最長の隧道だという説明も忘れ帰ってきたのが悔やまれる。