奥は細い道

奥は細い道

 視察で全国各地を訪問させてもらうと何時も早起きして散歩に出掛ける。それも大道を歩くのではなく、出来るだけ路地を歩くようにしている。路地は生活の臭いが漂い、そして色々な物が見えてくる。
 特に気になるのが、測量士という職業柄、道路の幅や水路の状況などが気になり、ついつい長岡と比較してしまう。
 雪の降らない愛知県、除雪の心配はないので、長岡の市道のように6mもの幅は要らない、しかし、余りにも細い道には驚かされる。
 どうやって車が入って行くのか?正に神業と思われる程、こ擦らないで上手く通り抜けられると思う。

 土地の問題があり解決が難しいのか?
 地域での合意形成が難しいのか?
 屋敷が狭いのでこれ以上土地を道路用地として提供するのが難しいのか?
 行政が道路改修に消極的なのか?
 何が原因かは分からないが、いずれにしてもこのような幅では、消防車はもとより救急車は入っては来られない。火事になれば類焼は免れないだろうし、地震で家屋が倒壊してしまえば逃げる余地すらない状態である。
 思い起こせば阪神淡路の大震災では6,000人を越す人が建物の下敷きになり、そして火災によって焼死してしまった。
 一方、中越大震災では、阪神大震災大きな地震で遭ったにもかかわらず、幸いかな火災発生も少なく、そして建物の下敷きになった人も死傷者も阪神淡路に比べ非常に少なかったことは、雪国という条件下で、屋敷が広く、道も広く、そして積雪加重があるため家がしっかりしているということが功を奏したのだと思う。
 自動車産業が一番進んでいる天下の愛知、それなのに生活道路の整備がまだまだの状況を見るにつけ、雪国長岡のインフラ整備の良さを実感した。

※右半分は水路に蓋掛けをした道路