高度経営体集積促進事業?

 ほ場整備事業:所謂 農地の区画整理事業は、近年の農業情勢の厳しさ、そして政権交代による公共事業の見直し等により、残念ながら徐々に縮小されてきています。
 国。農林水産省は、ほ場整備事業を進めて、やる気のある農家に農地を集積して効率性の高い農業の実現を目指しています。
 先般、新潟県主催の「高度経営体集積促進事業」の説明会があり、これまので集積率65%を75%に引き上げるので、地元でしっかり取り組んで欲しいとの説明内容です。
 集積率とは、集落や地域内で中心になって農業を担う人:所謂、担い手や認定農業者に農地や農作業を委託して耕作してもらう割合のことを意味します。
 つまり、集積率75%とは、例えば100haの農地があった場合、その内の75%に当たる農地の75haは大農家(専業農家)が耕作し、残り25%は飯米農家といった小規模の農家が耕作するということを意味します。
 現在大農家と言えば通常5〜10ha以上の農地を耕作している人を指しますので、75haと言えば、今の新潟県で言えば10戸位の農家数になるかと思います。
 これまで、集落や地域には農家家組合という組織がありましたが、農業分野での後継者不足や高齢化のため、農家組合も弱体化してしまい、これまで組合の中心的な事業であった「道普請」や「用水路の江浚い」そして「災害復旧作業」等の対応が出来ない状況となっています。
 年々農業を止めていく人が多い中、それに追い打ちを掛けるかのような「ほんの一握りの農家への農地及び農作業の集積」を行うことで、農道や農業用排水路の管理は一体誰が担うのか?皆目見当がつきません。
 スローフードスローライフ・エコ等という言葉が市民権を得たのに、国際競争力に打ち勝つ強い農業を目指し、未だ効率化を追い求める余り、これまで築いてきた共同体、コミュニティを潰してしまうかのうような「高度経営体集積促進事業」の目指すべき道は何か間違っているのではないかと思いますが、この文書を読まれた方のご感想をお聞かせ下さい。