暗渠管敷設

 収穫も終わり、籾摺りも終わる11月に入ると、ほ場整備事業が進められている所では「暗渠管の敷設工事」が行われます。
 暗渠とは土中の管のことで、地下水を集めそれを排水することで、水田における機械作業を容易にすることを目的に敷設されるもので、以前は、短い陶管を何本も繋ぎ、その繋ぎ部分から水が管内に侵入する仕組みのものであったが、最近は、プラスチックの蛇腹状の管に小さな穴が空いているものを大型機械で敷設するのが主流になっているようです。
 私が現在関わっているほ場整備の田んぼで、現在暗渠埋設工事が行われており、地中50CMから70CMの勾配で敷設され、写真の大型機械で、掘削、敷設、籾殻注入をしてしまうので、陶管に比べ何倍も合理的かつ迅速に作業が行われているのには感服しました。



 暗渠が敷設されれば田植え機やコンバインなどは「むぐったり、ぬかったり」することは無くなります。
 ほ場整備事業にはお金も掛りますが、今も昔も公費負担があるので、関係者皆がしっかりまとまれば出来ない事業ではありません。しかし、米の値段が低迷する中、金を掛けて、ほ場整備しても、果たして後何年耕作できるのかと考えている高齢農家では、なかなか事業は進みません。
 TPP対策で強い農業をという観点から土地改良・ほ場整備事業の推進を政府は謳っていますが、「美田が出来たが、耕す人が居ない」という状況にもなりかねない程、若者の参入が少ない農業界、人材育成にもっともっと力を入れなければならない筈なのですが?
 直ぐに結果が出ない人材育成に消極的な今の政治こそ長岡の『米百俵の精神』を学んで欲しいと思う今日この頃です。