「ならぬものはならぬ」と「なせば成る--」

hiroshikaro2008-08-20

 会津若松の藩校「日新館」の什の掟の最後、その八に書かれている言葉が「なることはならぬものです」です。
一方、米沢の藩主 上杉鷹山(ようざん)は「なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり」という後世に残る名言を残しています。

 「什:じゅう」とは、子どもたちが10人から17人集まったグループのことを云い、そのグループの掟を「什の掟」と呼び、その八でで終わっており10条まではありません。
内容は以下の通りですが、会津藩の精神教育の一環として、忠誠心を育てる教えであったとのことです。

つまり「ならぬことはならぬものです。」とは「子どもが我が儘や駄々を捏ねたりしないように」という大人の方便かとも思います。
 逆に鷹山の「なせば成る---」は、大人自身に問いかける言葉で「物事に対し、諦めずに工夫と努力を惜しむな」という意味があるかと思います。
 最初は、上杉家の縁で結ばれた会津と米沢なのに「何故反対のことを言っているのか?」と私も次男も疑問を持ちましたが、良く考えれば、その対象者が違えば言葉も変わるのは当然かも知れません。
我々現代人も江戸時代同様、子どもの価値観を一にするような「現代版什の掟」を考えるべきかと思いました所、会津若松市の「あいづっこ宣言」が資料にありましたので掲載しました。

 未来を担う子ども達の教育に会津若松市は、今も一生懸命力を注いでいるなと感心しました。